アンドロメダ・メガ・エクスプレス・オーケストラ(Andromeda Mega Express Orchestra)結成10年を記念した4枚目のアルバム『Vula』
若手ジャズ演奏家による総勢18人のクロスオーヴァー・アンサンブル。結成10年を記念した4枚目のアルバム。日本盤のみのボーナス・トラック入り!
フルート、サックス、クラリネット、トランペットといった管楽器が複数、ハープ、ギター、ダブル・ベース、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロといった弦楽器も複数、さらにヴィヴラフォン、ドラム、パーカッションといった打楽器にピアノ、シンセなども加わった総勢18人の管弦楽オーケストラ、アンドロメダ・メガ・エクスプレス・オーケストラ(AMEO)の作品がようやく日本でもリリースされる。
このオーケストラは前衛クラシック、フリー・ジャズなど様々なバックグラウンドを持ったベルリン在住のミュージシャン(トニー・アレン、ケニー・ウィーラーと共演する強者メンバーも)によって2006年に結成され、主にヨーロッパを舞台に様々なジャズ・フェスティバルに出演し広く知られるようになった。アルバムもこれまでスタジオ・アルバムを2枚、ライヴ盤1枚発表していて、本作が結成10年を記念する4枚目のアルバムとなる。
このオーケストラ最大の特徴は、ジャズやクラシック、ロック、アフロといったクロスオーヴァーなジャンルの先進性に注目して、圧倒的なテクニックとアンサンブルでリスナーを引っ張りまわすこと。よくあるビッグ・バンド、オーケストラのような「ラージ・アンサンブル」を意識的に避けるかのように、エキセントリックで洒脱なアンサンブルが魅力的な異色のグループと言えるだろう。
海外メディアでは古くはサン・ラ・オーケストラ、ペンギン・カフェ・オーケストラ、最近ではジャガ・ジャジストと比較されるが、意外性とユーモアという点ではそういったオーケストラにもまったく引けを取らない。事実、共演者にはブラジル音楽の父と言われるエルメール・パスコラールもいれば、あのジャーマン・インディ・ロックの重鎮、ノーツイストと共演するなど、ジャンルやスタイルにオープン・マインドであることが彼らの最大の魅力と言えるだろう。
日本盤のみに用意されたボーナス・トラックはスイス出身のジャズ・ベーシスト/作曲家として売り出し中のピーター・エルダーのリミックス。彼もヒップホップなど他ジャンルと積極的に交流する北欧ジャズ界注目の新鋭として知られる。
掲載: 2017年11月29日 11:03