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ツイン・シャドウ(Twin Shadow)、約3年振りとなる通算4作目のアルバム『CAER』

タグ : UK/US INDIE

掲載: 2018年04月05日 11:42

Twin Shadow

2011年に『FORGET』、2013年に『CONFESS』と立て続けにアルバムを4ADからリリースし、その静かなるエモーションと、チルウェイヴ的クールさを併せ持ったポップ・サウンドでPitchfork、NME、Uncutなどの英米メディアから高く評価された、ドミニカ共和国出身、フロリダ育ちの男性アーティスト、ツイン・シャドウ(本名:George Lewis Jr.)。ニューヨークからロサンゼルスへと拠点を移し、2015年にワーナーブラザーズからの移籍第一弾アルバム『ECLIPSE』をリリースした彼が、前作から約3年振りとなるニュー・アルバムが完成させた。

アルバムのタイトルは『CAER』(カエア)。通算4作目となる本作に込められたテーマについて、ツイン・シャドウ本人はこう語る:「人生の次のステップへと踏み出すために、一度落ちる必要があると感じるときがある」そして彼はこう続けるのだ「もう何回も経験しているんだ。音楽的にも、友人や恋人との関係でも、幾度もこうしたことが起きている。いつも崖っぷちに立っている気がするんだ。そこから下をのぞき込みながら”次に進むためには、もうこれしかないんだ”と考えている。ある意味自己破滅的だと思うけど、俺は生まれ変わることによって成長すると考えているのかも知れないね」

タイトルの『CAER(カエア)』もまた、スペイン語で落ちることを意味している。それは、アルバム全体を通して落ちるというテーマが流れているからだ。本作の中で、ツイン・シャドウは、自分自身の落ちる感覚だけでなく、衰退していると感じられる現代社会についての彼なりの視点も反映させているという。さらに、現在世界の文化的、政治的状況を鑑みれば、本作は大きな意味で極めて今日的な作品だと呼べるかも知れない。実際、本人はこう述べている「父権社会は崩壊している。人間としての我々の知覚も、テクノロジーと機械によって、衰退している。俺たちは、極限で生きていて、このアルバムで描かれているテーマの多くは、今そこにある断層線を取り上げているんだ」

アルバムからのシングルであるHAIMをフィーチャーした“Saturday”もまた、そうした断裂を取り上げた曲だそう。「ラヴ・ソングなんだけどね」ツイン・シャドウはこの曲についてそう語り、さらに続ける:「『Saturdays』は、恋に落ちている時、そして若さを堪能している時に友達と行く天国についての曲。でも一方で、世界に避け始め、俺たちが生じた亀裂の間へと落ちていくように感じることも描いている。でも、大事な人の隣で寝ていると、それらをリアルに感じることはないのさ」 この他、アルバムからはアンビエントなエレクトロ・サウンドが支配するより実験的でダウン・テンポな“Little Woman”と、シンセ・ポップ・ナンバーの“Brace(ft. Rainsford)”が公開されている。 また、アルバムの発売に合わせ、Beckやalt-Jとのツアーも発表になっている。

ツイン・シャドウによれば本作は2010年のデビュー・アルバム『FORGET』の兄妹編と呼べる作品だという。『CAER』は、隠し扉や秘密の通路がある作品で、聴けば聴くほど新たな発見がある1枚である。そして彼自身もまた、常に音楽的実験を繰り返しながらも、人々の人生のサウンドトラックを作り出していくアーティストの系譜に連なる1人となるに違いない――偉大なる先人たち、プリンスやボウイのように。深遠を見詰め、次なる高みを目指し、成長を続けるアーティスト、ツイン・シャドウ。彼が2018年現在辿り着いた、カタルシスの境地、それが本作『CAER』にある。