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ジェニファー・ウォーンズ(Jennifer Warnes)、17年振りとなるアルバム『ANOTHER TIME, ANOTHER PLACE』

Jennifer Warnes

ここ日本では映画『愛と青春の旅立ち』の主題歌であり、ジョー・コッカーとのデュエットである“Up Where We Belong”、そして映画『ダーティ・ダンシング』の主題歌であるビル・メドレーとのデュエット(I've Had) “The Time of My Life”で知られる、アメリカの女性シンガー、ジェニファー・ウォーンズ。1960年代後半から活動しているものの、寡作なアーティストとしても知られている彼女が、実に17年振りとなる新作スタジオ・アルバムを完成させた。

歌うために戻ってきたと語るジェニファー・ウォーンズ。その待望の新作となる『ANOTHER PLACE, ANOTHER TIME』には、ロサンゼルスからオースティンまで、長年の友人を含む多くの一流ミュージシャンが参加している。彼女のバックには、ギターの名手、ディーン・パークス(スティーリー・ダン、ボブ・ディラン等)、ベーシストのエイブ・ラボリエル(アル・ジャロウ、ジョージ・ベンソン)、ペダル・スティールの匠、グレッグ・ライズ(k.d.ラング、エリック・クラプトン)、ドラマーのヴィニー・カリウタ(フランク・ザッパ、スティング)、さらにパーカッショニストのレニー・カストロ(スティーリー・ダン、TOTO)、バック・コーラスにはブロンディ・チャップリン(ブライアン・ウィルソン、ローリング・ストーンズ)、そしてブルース・ギタリストのソニー・ランドレスなどなど、錚々たるヴェテラン陣が名を連ねているのだ。 アルバムのレコーディングは、テキサス州オースティンで行われ、彼女と長年の友人でもあるロスコー・ベックが共同プロデュースを務めた。ロスコーは、レナード・コーエンのバンド・メンバー、そしてミュージカル・ディレクターでもあった人物だが、ジェニファーもまた、レナードの近しい友人であり、コラボレーションを幾度も行っていた。ちなみに彼女は、1987年、レナード・コーエンへのトリビュート・アルバム『FAMOUS BLUE RAINCOAT』をリリースし、各方面から絶賛を集めたが、この作品もまた、ロスコ―が共同プロデューサーを務めている。

本作『ANOTHER PLACE, ANOTHER TIME』には、幅広いジャンルから選りすぐった名曲のカヴァーが収録されている。その範囲は、パール・ジャム(“Just Breathe”)からマーク・ノップラー(“Why Worry”)、ジョン・レジェンド、テデスキ・トラックス・バンド、ウォーレン・ハインズ、ロニー・ジョンソン、レニー・カストロまでに及ぶ。彼女は、ロスコーとともに、30から50曲に亘る候補の中から、アルバムの為にカヴァーする曲を選んだという。「レナードと長く一緒に居すぎたかも知れない」そう彼女は指摘する。「レナードは、心を目がけた曲を作っていた。私は、ここにある曲を、より実践的で実用的に感じられるものにしたかった。特にこの不安定な時代にはね」

常にオープンな心で音楽を作り続け、自身のエモーションや愛を作品を通して表現することを恐れない、ジェニファー・ウォーンズ。彼女が作り出す作品の音質の高さもまた、オーディオ・ファンの間で評価されている。歌うためにシーンへと戻って来たと語る彼女が、長年の友人たちに囲まれて作り上げたソング・アルバム『ANOTHER TIME, ANOTHER PLACE』は、この不安定な時代に癒しを聴くものにもたらしてくれるだろう。

掲載: 2018年04月23日 13:04