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UKロックの首領、ポール・ウェラー(Paul Weller)、約1年振りソロ名義14作目のアルバム『True Meanings』

Paul Weller

「この10年ほど、とてもいい状況で居続けられたんだ。人生そのものもそうだし、こうやって音楽を作り続けてるってこともそう。その全てに感謝しているよ。俺はいままでずっと歳を取るってことが不安だったんだ、クリエイティヴィティや構想力を失っていってしまうんじゃないかってね。でも、実際歳を取ってみて、そんな風にはならなかった。不安に思っていた状態とは全く反対の状態のままでいられているのさ」 ─ ポール・ウェラー

UKロック・シーンの重鎮であり数々のアーティストに多大なる影響を与え続ける真のモッドファーザー、ポール・ウェラー。約40年にも及ぶキャリアを持ちながらも、変わらず精力的な活動を続ける彼が、最高傑作との呼び声も高い前作『A KIND REVOLUTION』から約1年という非常に短いタームで、早くも最新作『TRUE MEANINGS』を完成させた! これはソロ名義としては14作目、全キャリアを通した作品としては26作目となるスタジオ・アルバムだ。

前作では最高級のロック・サウンドで全世界のファンを魅了した彼だが、御年60歳を迎えて発表するこの最新作では、雄大かつ繊細なサウンドが前面に打ち出されている。ポールの美しく響く歌声が持つ魅力と、誠実な言葉で綴られた歌詞が持つ「素の」自分をさらけ出すかっこよさ…、まるで夢のように、優しく響く牧歌的な世界観に満ちた、彼の魅力のもう一つの側面をじっくりと聴かせてくれる、そんなアルバムを完成させたのだ。

このアルバムのタイトルは、60歳の誕生日となる5月25日に公開した楽曲“Aspects”からとられたものだ。5年ほど前にすでに書き上げていたというメランコリックなGravity”という曲から、今作のアイデアが生まれているという。ポール曰く、「この曲はとても特別な曲だったけど、『SATURNS PATTERN』や『A KIND REVOLUTION』といったアルバムにはぴったりとハマるスペースがなかった。だから、しばらくこの曲を取っておくことにしたのさ」とのこと。アルバムには収録しなかったのだが、ライヴではこの曲を披露していた。その曲に対する反応が非常にポジティヴだったため、この楽曲の持つ方向性に沿った曲を書き始めていったのだという。

ポールが所有するBlack Barn Studioでレコーディングされた今作のプロデュースは、ポール本人が担当。例外として、“The Soul Searchers”はコナー・オブライエンとの共同プロデュース、“Movin On”はホワイト・レーベルとの共同プロデュースという形がとられ、エンジニアにはチャールズ・リースを、ミックスには盟友ジャン・スタン・カイバートを迎えて制作されている。

現在のポールの充実ぶりを支える彼のバンドのメンバーに加え、今作には数々のゲスト・アーティストも参加している。“The Soul Searchers”で印象的なハモンド・オルガンを、そして“White Horses”でピアノとメロトロンを披露しているのは、ゾンビーズのロッド・アージェントだ。他にも、フォーク・レジェンド、マーティン・カーシーとダニー・トンプソンが“Come Along”に、“Old Castle”ではリトル・バーリーがリード・ギターを披露、“Books”にはルーシー・ローズがバック・アップ・ヴォーカルを担当している。さらに、ノエル・ギャラガーもちょっとだけ参加しているという。

キャリアを通しても非常に充実した時期を迎えているポール・ウェラー。今までもアルバムの中でメランコリックな楽曲を聴かせてくれている彼が、その側面を全面に打ち出したこの最新作は、ポール・ファンはもちろんのこと、全音楽ファンを魅了する美しさを備えたアルバムだ。60歳を超えてなお自身のクリエイティヴィティを研ぎ澄ませるポール・ウェラー、まさに全ての人にとって「手本」となる存在だ。「もう60歳となって、この辺りでちょっと思慮深い方向性を打ち出してみたのさ。もちろん、このスタイルをこれからずっとやってくわけじゃないけどね」 ─ ポール・ウェラー

タグ : UK/US INDIE

掲載: 2018年07月26日 10:46

更新: 2018年07月26日 12:00