2年連続グラミー賞最優秀ジャズ・ヴォーカル・アルバムに輝いた セシル・マクロリン・サルヴァント(Cecile Mclorin Salvant)一年振りの新作
2016年、2017年と、2年連続でグラミー賞最優秀ジャズ・ヴォーカル・アルバムに輝いた、セシル・マクロリン・サルヴァント、一年振りの新作!!
2010年、ジャズ・アーティストの登竜門となるセロニアス・モンク・インターナショナル・ジャズ・コンペティションのウィナーとなって以来、各方面から大絶賛されるセシル。ダウンビート批評家投票の“ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤー”“トップ・フィメール・ヴォーカリスト”2部門においてトップとなり、NPRの“ベスト・ジャズ・ヴォーカル・オブ・ザ・イヤー”、“ベスト・ジャズ・ヴォーカリスト”も獲得。全世界的に、今、最も注目を集める女性ヴォーカリストとして揺るぎない活動をみせています。
本作は、そんな彼女が注目のピアニスト、サリヴァン・フォートナーとデュオで録音した14曲のスタジオ録音に、3曲のライヴ・トラックを収録した作品。レギュラーのトリオと、ストリングスを加えたナンバーを加えた前作と比べて、ピアノとオルガンのみをバックにした本作は極めてシンプル。しかし、シンプルだからこそ、彼女の表情豊かなヴォーカルが、鮮明に浮かび上がります。
スティーヴィー・ワンダーの名曲「Visions」をオープニングに、アメリカン・グレイト・ソング・ブックともいえるポップ・ナンバーやブロードウェイのナンバー、MPB、シャンソンなど、楽曲の真髄と対話しながら、歌いあげるセシル。本格的、かつ正確な歌唱はもちろんのこと、声色やニュアンスも、その場その場によって実にヴァリエーション豊かに表現。そこには、喜びにあふれるような快活な歌唱あり、ブルーでメランコリックな気分を表現する歌唱あり、スロウなナンバーもスウィンギーなナンバーも自在。時には、女優となって演じるような場面も織り交ぜて魅せてくれます。
一方、本作では、セシルと対話するサリヴァン・フォートナーのピアノも聴きどころ。フレッド・ハーシュの薫陶を受けたことでも知られるフォートナー。クラシカルなテクニックも抜群に、ストライド・ピアノ、スウィンギーなリズムの演奏、そして、シンプルな中にも抒情が滲む演奏は、師の影響を感じさせるもの。ヴォーカリスト、セシルと、絶妙な絡みも見せながら、世界を描いていきます。若手でありながら、ジャズの伝統と向き合い、表現する2人のアーティスト。デュオで豊穣な世界を描き出します!!
掲載: 2018年08月10日 13:06