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Morrissey(モリッシー)、60~70年代楽曲をカヴァーしたアルバム『California Son』

Morrissey

現代英国のアイコンで影響力のある、一筋縄ではいかない、インスピレーションを想起する、独創性に富んだ、先鋭的で扇動的、 崇拝を集める、歯に衣を着せない、ロマンチスト――モリッシーというアーティストは一つの言葉では到底言い表すことが出来ない。NMEが「史上最も影響力のあるバンド」と評したザ・スミスのヴォーカルにして詩人である彼は、英国音楽シーンのカリスマとして、圧倒的存在感を誇っている。

そのモリッシーが新たなスタジオ・アルバムのリリースを発表した。本人のポートレイトをフィーチャーした眩いばかりのアルバム・カバーが目を惹くこのアルバムのタイトルは『CALIFORNIA SON』。モリッシーがこよなく愛する60年代、70年代の楽曲をカヴァーした作品だ。

アルバムに収録されているカヴァー曲のレパートリーは、ジョニ・ミッチェルの「Don't Interrupt The Sorrow」からローラ・ニーロの「Wedding Bell Blues」、ボブ・ディランの「Only A Pawn In The Game」、フィル・オークスの「Days Of Decision」やメラニーの「Some Say I Got Devil」など実にヴァラエティー豊か。アコースティック・ナンバーが多いところや、約半分弱が女性アーティストの楽曲であることも注目したいポイントだろう。

アルバムからのリード・トラックとなるのは、ロイ・オービソンの「It's Over」。モリッシーのメランコリックなヴォーカルは、オリジナルの曲調と見事にマッチ。Billboard.comによると、ロイ・オービソンの息子、ロイ・オービソンJrもモリッシーのヴァージョンを“父を思い出す”と高く評価しているという。またこの曲には、シンガーソングライターのLPが、特徴的なヴォーカルで彩りを添えている。

「It's Over」以外にも、多数のゲストが本作に参加している。シングルとしてリリースされたローラ・ニーロの「Wedding Bell Blues」には、グリーン・デイのビリー・ジョー・アームストロングと、ザ・リグレッツのリディア・ナイト。ジョブライアスの「Morning Starship」には、グリズリー・ベアのエドワード・ドロストがフィーチャーされている他、ブロークン・ソーシャル・シーンのアリエル・エングル、ヤング・ザ・ジャイアントのサミーア・ガーディア、ぺトラ・ヘイデンなどがクレジットに名前を連ねている。

15年振りのカナダ・ツアーを行うことを発表したり、モリッシーの若き日を描いた青春音楽映画『ENGLAND IS MINE』の日本公開も5月に決まるなど、話題が尽きることが無いモリッシー。現代世界を見詰め、一人で闘いを挑み続けている英国音楽シーンの孤高のカリスマの愛歌集――それが本作『CALIFORNIA SON』なのだ。

 

【収録曲】
01. Morning Starship (Jobriath)
02. Don’t Interrupt The Sorrow (Joni Mitchell)
03. Only A Pawn In Their Game (Bob Dylan)
04. Suffer The Little Children (Buffy Sainte Marie)
05. Days Of Decision (Phil Ochs)
06. It’s Over (Roy Orbison)
07. Wedding Bell Blues (Laura Nyro)
08. Loneliness Remembers What Happiness Forgets (Dionne Warwick)
09. Lady Willpower (Gary Puckett & the Union Gap)
10. When You Close Your Eyes (Carly Simon)
11. Lenny’s Tune (Tim Hardin)
12. Some Say I Got Devil (Melanie)

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掲載: 2019年03月22日 15:39