Neil Young(ニール・ヤング)、ライヴ・アーカイヴ新作は73年ストレイ・ゲイターズとの未発表ライヴ作品
ロック・シーンにおける孤高のレジェンド、ニール・ヤング。過去のオリジナル・アルバムをリイシューするシリーズ、そして貴重な未発表ライヴ音源を紐解いていくライヴ・アーカイヴ・シリーズ、さらには新作のリリースなど、今なお精力的な活動を続ける彼から、早くも新たな宝物となる、ライヴ・アーカイヴ・シリーズ最新作が届けられた。それが、1973年2月5日に米アラバマ州タスカルーサ市にあるアラバマ大学で行われた、ニール・ヤング&ストレイ・ゲイターズ名義でのパフォーマンスを収録した、この未発表ライヴ音源『TUSCALOOSA』だ。
ソロ・ツアーやクレイジー・ホースとのツアーの合間となる1971年から1973年にかけて、ニール・ヤングは当時自身が追い求めていたサウンド・スタイルをライヴでも追求すべく、ストレイ・ゲイターズとのツアーを行なっている。ティム・ドラモンド(b)、ケニー・ベトレー(dr)、ジャック・ニッチェ(piano)、そしてベン・キース(steel guitar)からなるこのストレイ・ゲイターズは、ニールが72年に発表した傑作中の傑作『HARVEST』のレコーディングにも参加しており、その後73年に発表したライヴ・アルバム『TIME FADES AWAY』でもそのプレイを聴く事が出来る。
この貴重な未発表ライヴ・アーカイヴ・アルバム『TUSCALOOSA』には、ニールの記念すべきデビュー・アルバム『NEIL YOUNG』からの楽曲「Here We Are In The Years」や、ニールの初期キャリアにおいて最も成功を収めることとなった名盤『AFTER THE GOLDRUSH』(1970年作品)や『HARVEST』(1972年作品)から、彼の代表曲とも言えるクラシック・トラックが収録されている。
また、この『TUSCALOOSA』には、ニールにとって初のライヴ・アルバムとなった『TIME FADES AWAY』(73年発表)のタイトル・トラックの息を飲むようなヴァージョンや、このライヴから2年後に発表された、歴史的名盤『TONIGHT'S THE NIGHT』に収録されることとなった楽曲「New Mama」や「Lookout Joe」のライヴ・ヴァージョンも収録されている。ちなみに、頭の2曲(「Here We Are in The Years」と「After The Gold Rush」)はニールのソロ・パフォーマンスとなっており、「Out On Te Weekend」からストレイ・ゲイターズが参加したパフォーマンスとなっている。
今作のプロデュースは、ニール・ヤングと、彼の音源を数多く手がけるエリオット・メイザーが担当、ミックスにはジョン・ハンロン、そしてマスタリングにはクリス・ベルマンを起用、オリジナルのアナログ・テープから丁寧にマスタリングされた音源が収録されている。この音源は驚くほどに生々しいサウンドとなっており、まるでその場にいるかのような臨場感を感じさせてくれるハイクオリティな音質に仕上がっている。また、パッケージに使用されている写真は、ジョエル・バーンスタインが撮影したものだ。