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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.33

『ジョン・コルトレーン・アンド・ジョニー・ハートマン』(1963)

JCJH

ジョン・コルトレーン(ts)
ジョニー・ハートマン(vo)

マッコイ・タイナー(p)
ジミー・ギャリソン(b)
エルヴィン・ジョーンズ(ds)

1963年3月7日ニュージャージーにて録音

曲目:
01.ゼイ・セイ・イッツ・ワンダフル
02.デディケイテッド・トゥ・ユー
03.マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ
04.ラッシュ・ライフ
05.ユー・アー・トゥー・ビューティフル
06.オータム・セレナーデ

【アルバム紹介】
1.ジョン・コルトレーンの名作『バラード』のヴォーカル版ともいえるロマンティックな傑作
2.ジョニー・ハートマンのウォーム&テンダーな低音ヴォイスがハートに響く
3.ジャズ史に残る名演“マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ”

オスカー・ピーターソンのスタンダード名演集『プリーズ・リクエスト』で、ジャズ・スタンダードの魅力に開眼・再認識された方々、アルバムの4曲目に名バラード曲の“マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ”が収録されていたのをご記憶のことと思います。
今回ご紹介するのは、その曲のヴォーカル版が収録されている、ジョン・コルトレーンとジョニー・ハートマンのコラボレーションによる傑作です。

ジョン・コルトレーンのアルバムでスタンダード・バラードばかりを演奏した名作『バラード』があり、このコーナーでも以前ご紹介しましたが、本作はそのヴォーカル版ともいえる内容で、コルトレーンのテナー・サックスと、ジョニー・ハートマンのヴォーカルが邂逅したロマンティックなムードを持った一枚です。

ジョニー・ハートマンのヴォーカルはとても温かく、優しい低音ヴォイスが特徴で、こんな声でバラード・ソングを歌われたら、そのハートに響く歌声に誰もが感無量の境地になること間違いなしです。

3曲目に収録された“マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ”は数々のジャズ・ミュージシャンの演奏がありますが、このコルトレーン&ハートマンのトラックはジャズ史に残る名演であり、同曲のヴォーカル・バージョンとしても屈指の名唱となっています。
この他、“ゼイ・セイ・イッツ・ワンダフル”、“ラッシュ・ライフ”、“ユー・アー・トゥー・ビューティフル”といった極上のロマンティック・ソングでも、素晴らしいサックスとヴォーカルのマッチングは見事としかいいようがありません。

一日の終わりに、温かいコーヒーを飲みながらゆっくり聴いてほしいアルバムです。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ジェントルなサックスに導かれ、ハートフルなヴォーカルに胸キュンな“マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ”。

名スタンダード曲である“マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ”の誰もが認める名演なのは先述の通りです。この曲が持つバラードならではのムーディな雰囲気を、巧みなアレンジによって上手く引き出している点も聴きのがせません。
曲が始まると、コルトレーンがソフトなトーンでこの曲のテーマを吹きはじめます。その時はバックはマッコイ・タイナーのピアノとジミー・ギャリソンのベースだけです。やがてテーマをワン・コーラス分吹き終るところで、テンポ・ダウンし、ややブレイクしつつ、コルトレーンが最後の1音を吹くと同時に、エルヴィン・ジョーンズのブラシワークによるドラムが入り、再びイン・テンポに。そして歌い始めるジョニー・ハートマン。このサックスとヴォーカルの主役が切り替わる流れは何度聴いてもいいです。
歌い出しの最初の一節は「The very thought of you makes my heart sing~」で、簡単に和訳しますと「あなたへの想いが私の心に歌を歌わせる」というものですが、今風の、ちょっとJ-POP風な歌詞で言い換えるとすれば「君を思うと胸がときめいて歌わずにはいられないんだ」となり、相手への強い想いを伝える、極上のラヴ・ソングであることがわかります。そんなことを意識しながらハートマンの歌声に耳を傾けると、この歌詞の“ワン・アンド・オンリー”な深みにあらためて魅了されます。
もう1曲、本作には“ユー・アー・トゥー・ビューティフル”という名バラードも収録されていますが、このトラックは今から10年少し前に携帯のCMでオンエアされたことで、その時、店頭での問い合わせが増え、本作がにわかにヒット・アルバムになったことがありました。そのCM映像は携帯を手にしたカップルによるロマンティックなもので、スタイリッシュな演出にこの曲も一役買っていました。ご記憶の方もいらっしゃることでしょう

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2019年07月05日 12:30