現代音楽とエレクトロニカの境界領域に響く〈インナー・アンビエンス〉を追求するTe Pito Records、初のコンピレーション・アルバム『Unbuilt Place』
現代音楽とエレクトロニカの境界領域に響く、〈インナー・アンビエンス〉を追求するレーベル初のコンピレーションアルバム『Unbuilt Place』。ミュージック・コンクレートの創始者シェフェールに直接学んだ最後の世代を代表する先鋭な作曲家、クリスチャン・ザネジ(Ina-GRMディレクター/ラジオ・フランスの現代電子音楽をセレクト、オンエアするラジオ番組Electrain Nuitプロデューサー)の問題作の他、日仏独で横断的活動を展開する作家の作品をセレクト。種子島宇宙芸術祭2017でも話題を呼んだ小阪淳のフラクタル生成を元にした映像をベースに、各トラックをビジュアル化したフルカラーブック付き。
1.Parhelion-Ice crystal and light -実態のないものに触れそうで触れられない曖昧な感覚
ZKMの招聘作家としてドイツ在住「Quartz Music Awards」実験研究部門最高賞、「Bains Numérique」批評家賞など数々の受賞歴を持つ及川潤耶(tepito-002)。
2. fluent -息を殺して雪面にマイクロフォンを置く時、降り続ける雪のように無心になれる
故郷青森でのフィールドワークによるサウンドから実験的な電子音に至る音響を融合させた tepito-003で各方面より絶賛され、PROGRESSIVE FOrM,fuzz,KITCHEN.LABEO等への楽曲提供を行う高橋征司(tepito-003)。
3. Inutile -消失してしまうかもしれない海を前にして
リュック・フェラーリ国際コンクール_プレスク・リヤン賞2015、CCMC2015ACSM116賞、ルイジ・ルッソロ国際音楽コンクールやIna-GRM主催のBanc d’essai 2015/2017選出などの受賞歴を持つ梅沢英樹。
4. Inward -窓が生み出す「歌われた空間」、その広大な領域で
文化庁メディア芸術祭審査員特別賞、カンヌ国際広告祭2007 Cyber Lions 銅賞受賞他多数の受賞歴を持つ美術家であり、サウンドにまつわるメディアアート作品が東京、北京のSony Explora Schienceに常設されるなど横断的活動を展開する小阪淳。
5. Berceuse -揺籃歌- 無文字社会の記憶装置、眠りに誘う揺籃の歌
現代音楽を起点に立体音響空間による芸術表現を展開、海外のイマーシブ・オーディオと映像のフェスティヴァルにて多数の入選歴を持ち、2017年「坂本龍一|設置音楽展」5.1chサラウンド音響作品の公募にて最優秀賞を受賞した宮木朝子(tepito-001)。
6. Oiseaux dans l’espace électronique -電子空間の鳥- 鳥たちは見えない樹々にとまり翼を休め、電子音の風に乗り滑空しながら音と対話する
現代音楽の器楽からアクースマティックなどの作曲家として活躍、日本のアクースマティック・アクースモニウムシーン発展のきっかけとなるラジオ・フランスでの夏期アトリエやCCMC(Cotemporary Computer Music Concert)を主宰する成田和子。
7. Paysage électronique avec train (2006-2012) First part
古いシンセサイザーの警告音̶騒音と信号、爆風、呼吸-私の中に残っている奇妙な音ミュージック・コンクレートの創始者シェフェールに直接学んだ最後の世代を代表する先鋭なアクースマティック音楽の作曲家、Ina-GRMの現ディレクター、 ラジオ・フランスの現代の電子音楽をセレクト、オンエアするラジオ番組 Electrain de nuit、Electromania、ジャンルを越えるエレクトロ・ミュージックを発信する音楽祭Presenceのプロデューサーでもあるクリスチャン・ザネジ。
掲載: 2019年07月05日 18:22