メタルコアの帝王、As I Lay Dying(アズ・アイ・レイ・ダイング)、7年振りの復活アルバム
2007年にリリースされた4thアルバム『アン・オーシャン・ビトウィーン・アス』が全米チャート最高8位にランク・インし、アルバムに収録された「ナッシング・レフト」がグラミー賞の“ベスト・メタル・パフォーマンス”部門にノミネートされたアズ・アイ・レイ・ダイング。メタルコア・シーンを代表するバンドとなった彼らは、その後も5thアルバム『ザ・パワーレス・ライズ』(2010年)が全米最高10位、クリーン・ヴォイスのパートが増え、エモの要素が増した6thアルバム『アウェイクンド』(2012年)が全米最高11位を記録し、名実ともの人気バンドとなる。
しかし、絶頂期の最中、2013年5月にティムが別居中の妻の殺害を計画し、殺人教唆の罪で逮捕されるという事件が発生。バンドは活動休止となる。残されたメンバーはオー・スリーパーのシェーン・ブレイと共に結成したオルタナティヴ・メタル・バンドのウーヴンウォーで活動する中、実刑判決を受けたティムが2016年12月に仮出所すると、話し合いの末にアズ・アイ・レイ・ダイングが活動休止時のメンバーで再始動することが決まる。新たにニュークリア・ブラスト・レコードと契約した彼らは、2018年6月にシングルの「マイ・オウン・グレイヴ」を発表。さらに2018年6月16日に地元サンディエゴで復活ライヴを行なった後、アメリカとヨーロッパでツアーを経て、完成させたのが、7年ぶり7作目となる『シェイプド・バイ・ファイア』である。
アディショナル・プロダクションでティムがスクリーム・ヴォイスで歌うアグレッシヴなパートと、ジョシュ・ギルバート(ベース、ヴォーカル)のクリーン・ヴォイスによるメロディアスなパートを巧みに融合させ、エッジの効いたテクニカルな演奏と絡めた音楽は実にダイナミックで、哀愁を感じさせるメロディの充実ぶりも耳を惹く。前作の『アウェイクンド』の延長線上にありながら、サウンドと演奏の両面でスケール・アップを図っており、アグレッシヴでエキサイティングな楽曲はバンドの完全復活に相応しいものとなっている。まさに最先端のメタルコア・アルバムがここに完成したと言える。
タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2019年09月13日 13:11