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Blind Guardian Twilight Orchestra(ブラインド・ガーディアン・トワイライト・オーケストラ)が贈る空前絶後のジャーマン・メタル叙事詩

Blind Guardian Twilight Orchestra(ブラインド・ガーディアン・トワイライト・オーケストラ)

ジャーマン・メタルを代表するバンドのひとつとして、ブラインド・ガーディアンは1980年代から最前線で活動してきた。『テイルズ・フロム・ザ・トワイライト・ワールド』(1990)、『サムホェア・ファー・ビヨンド』(1992)、『イマジネーションズ・フロム・ジ・アザー・サイド』(1995)、『ナイトフォール・イン・ミドル・アース』(1998)などのクラシック・アルバムは本国ドイツはもちろんヨーロッパ全土や北米・南米、そして日本でも絶大な支持を獲得している。

約4年振り通算11作目となる本作は“ブラインド・ガーディアン・トワイライト・オーケストラ”名義での初のアルバム。メロディと起伏に富んだドラマチックな音楽性、ファンタジーに題材をとった歌詞世界、オーケストラを導入した重厚なサウンドを武器にしてきた彼らだが、そんな個性を極限まで増幅させた劇的世界観を提示している。

ハンズィ・キアシュ(ヴォーカル)とアンドレ・オルブリッヒ(ギター)が20年以上前から構想を練っていた本作は、あえてロック・バンド編成を取っていないことが大きな特徴となっている。だが、ヘヴィなギターをフィーチュアせずとも、ドラマチックかつメロディックな音楽性と世界観、そしてハンズィの感情を込めた力強いヴォーカルは健在だ。ファンが愛して止まないブラインド・ガーディアンの調べが“プラハ・フィルムハーモニック・オーケストラ”と有機的融合を果たして、ジャンルの壁を超えたひとつのエモーションの塊となって襲いくる。

先行リーダー・トラック「ポイント・オブ・ノー・リターン」が公開されるや、世界中のファンから驚きと歓喜が沸き起こっている。全24曲の巨編であるこのアルバムは、さらなる感動を世界にもたらすことになるだろう。

これまでJ.R.R.トールキンの『指輪物語』(映画タイトル『ロード・オブ・ザ・リング』)やマイケル・ムアコックの『エルリック・サーガ』などを題材としてきた彼らだが、本作は『ドワーフ』サーガや『アルファーの伝説』シリーズなどで知られるドイツ・ファンタジー文学の巨匠マーカス・ハイツの小説『Die Dunkien Lande』の“続編”という体裁を取っている。神聖ローマ帝国で行われた三十年戦争(1618〜1648)を舞台としながら、史実にこだわることなく、傭兵ニコラスの謎めいた冒険を描いた本作は、バンドの新たな伝説の1章となる。

『ナイトフォール・イン・ミドル・アース』にナレーションで参加した声優/ヴォイス・アクターたちが再び参加していることも、本作に新たな深みをもたらしている。本作は単なる“プロジェクト”や“外伝”でなく、ブラインド・ガーディアンの崇高なる精神性に則った“ア・ニュー・ビギニング”なのだ。
半世紀に及ぶヘヴィ・メタルの歴史において、最も野心的なアルバムのひとつである『レガシー・オブ・ザ・ダーク・ランズ』。ブラインド・ガーディアンが“ダーク・ランズ=闇の道”に光を灯す。

タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)

掲載: 2019年10月29日 13:44

更新: 2019年11月21日 12:00