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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.51

モダン・ジャズ・クァルテット『ジャンゴ』(1956)

MJQ

ミルト・ジャクソン(vib)
ジョン・ルイス(p)
パーシー・ヒース(b)
ケニー・クラーク(ds)

1953年6月25日、1954年12月23日、1955年1月9日
ニューヨーク、ニュージャージーにて録音

曲目:
01.ジャンゴ
02.ワン・ベース・ヒット
03.ラ・ロンド組曲
04.ザ・クイーンズ・ファンシー
05.デローネイのジレンマ
06.ニューヨークの秋
07.バット・ノット・フォー・ミー
08.ミラノ

【アルバム紹介】
1.ミルト・ジャクソンのヴァイブをフィーチャーした名ジャズ・グループ
2.気品があり、エレガントなムードさえ漂うジェントルなジャズが特徴
3.名ギタリストの捧げたられた名曲“ジャンゴ”

前回ご紹介しましたピアニストのエディ・コスタは優れたヴィブラフォン奏者でもありました。ジャズ史の中で、モダン・ジャズ・スタイルのヴィブラフォン奏者として、ダントツに知名度が高かったのはミルト・ジャクソン。そのミルト・ジャクソンが在籍して有名なジャズ・グループが、モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)です。本作はMJQの代表作です。

グループは1952年に結成され、ミルト・ジャクソンのヴァイブ、ジョン・ルイスのピアノ、パーシー・ヒースのベース、ケニー・クラークのドラムスというメンバーで活動をスタートしました。
その音楽は当時隆盛の極みだった管楽器をフィーチャーしたアーシーでパワフルなハードバップ・ジャズのサウンドと違い、気品があり、エレガントなムードさえ漂うジェントルなジャズが特徴で、クラシック音楽などを好み、ヨーロッパ志向だったジョン・ルイスの音楽性が反映されたものになっています。

そのルイスが作曲し、グループを象徴する名曲となったのが、本作のアルバム・タイトル曲“ジャンゴ”です。この曲は、ルイスがベルギー出身のジプシー・スイング・スタイルの伝説のジャズ・ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルト(1953年没)に捧げて書いたもの。以降、いくつかのバージョンが存在していますが、本作収録のテイクは同曲の初演のバージョンであり、一番有名な演奏になります。
本作はルイス作曲の楽曲が全部で5曲とスタンダードが3曲の全8曲で構成され、並ならぬ表現力と演奏で一時的なセッション・メンバーによるレコーディングとは質を異にするグループの醍醐味を聴かせてくれます。

しかしグループはこの時早くも大きな変化の時を迎えつつありました。ドラマーのケニー・クラークが自身のドラミングを追求するため、1955年に脱退宣言したのです。新ドラマーにはコニー・ケイが加入し、以後MJ Qは安定したメンバーとなり、華々しい活躍をしていくことになりました(1974年に一度解散、その後1981年に再結成するも、1999年ミルト・ジャクソンの死去により解散)。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
名曲“ジャンゴ”。

ジャズ・ミュージシャンのファッションは基本的にダークスーツやタキシード。それが60年代後半からは時代を反映して、だんだん自由になってきますが、このグループだけはそのスタイルを終始崩しませんでしたね。 MJQ(エム・ジェイ・キュー)を昔は“ミルト・ジャクソン・カルテット”の略だと思っていました。一時期は本当にその名の通りだったようです。
さて、今回のこの一曲は当然名曲の“ジャンゴ”となりますが、独特の哀愁を帯びたテーマはあまりにも有名で、ミルト・ジャクソンのヴァイブの音色と、ジョン・ルイスのピアノの美しい響きの重なりが静かな情感をたたえています。
非常に変わった構成を持った曲で、テーマではビート感もなく、淡々と進行していくのですが、ソロに入るとオン・ビートになり、テーマとは違ったコード進行を展開、途中でブギっぽく変化したりするところなど、実にユニークな特徴を持った楽曲です。

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2019年11月08日 12:30