〈World Wide Tower〉高松丸亀町店 中南米音楽:BORDERLESS~ボーダーレス~
Toninho Horta『ムーンストーン<初回生産限定盤>』
ブラジル、ミナスを代表するギタリスト、トニーニョ・オルタ。「クルビ・ダ・エスキーナ」でその名を知った方も多いのでは。瑞々しく透明感のあるサウンドと超絶テクニック、ミナス特有の浮遊感。彼の作る曲はどれもこれも名曲ばかり。トニーニョは海外のミュージシャンにも多大なる影響を与えているが、本作もパット・メセニー参加。二人のギターの掛け合いがたまらない、ジャズ~AORファンにもオススメの一枚。(1989年)
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Ramo『Ramo』
ハファエル・マルチニ、アントニオ・ロウレイロ、フレデリコ・エリオドロなどミナスの精鋭によるバンドの唯一作。サンバやショーロ、ミナスの音楽に現代音楽の要素を加えたとてもスケールの大きい作品。クルビ・ダ・エスキーナに始まりマカシェイラ・フィールズ、ジェスト、ミストゥラーダ・オルケストラ等、ミナスの音楽家たちはとても強い家族的な繋がりを以て音楽を共有し、素晴らしい作品を作り上げている。きっと彼ら仲間内ではA.Tフィールドは存在しない。聴く人も彼らの音と共に溶けてゆく、A.Tフィールドレスな一枚。(2009年)
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Andre Mehmari / Antonio Loureiro『MehmariLoureiro duo』
ブラジルを代表する二人の天才による、全く新しい一枚。今や世界で活躍するピアニスト、アンドレ・メマーリとミナスの若手でも抜きんでた存在のマルチプレイヤー、アントニオ・ロウレイロ。この二人が織り成すのは過去に類を見ないとても自由でスリリングなサウンド。ミナスを核とするブラジル音楽にアルゼンチンなどの南米音楽、そしてジャズ~クラシックが融合した複雑なハーモニー。その根底にあるのは圧倒的な技術と知識。二人だからこそ成し得る、新しい潮流をリードする宇宙的規模の超大作。(2016年)
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Tatiana parra / Vardan Ovsepian『Hand In Hand』
ブラジルの「声の人」タチアナ・パーハとチェンバーミュージックの異才、アルメニア出身ピアニスト、ヴァルダン・オヴセピアンによる完全デュオ作品の二作目。美しく複雑な旋律ライン、煌びやかで精巧なピアノに可憐で正確無比な声が重なる。ジャズ、クラシック、MPBを行き来するその音楽はとても自由でスリリング。ピリリと気持ちが引き締まる、そんな圧倒的存在感の一枚。(2016年)
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高松丸亀町店ワールドコーナー紹介
日本のミナス、高松。愛情をこめて選んだ良作が所狭しと並んでいます。四国や岡山のライブ情報も掲示。あそこに行けば何かがある、そんな売場を目指しています。
担当者/作品レビュー執筆者紹介
高松丸亀町店 バイヤー: 岡本 美帆
2012年、タワーレコード高松丸亀町店のオープニングスタッフとして入社。10代のころ、ナラ・レオンに出会い私の全てが狂い始めました。20代のころ、夢はただ二つ。ブラジル人になること。マルコス・ヴァーリと結婚すること。世界を知りたくてアフリカ・ニジェールで暮らすこと2年。今はここ高松で、良い音楽を少しでも多くの方に聴いてもらいたいと奮闘中。
サンバ、ボサノヴァ、タンゴ。だけじゃない南米音楽。ジャンルや国境を越え、あらゆる美しいものが融合した良作がたくさんあります。幸せを感じたときはその気持ちを膨らませ、苦しい時はその気持ちを柔らかく包み込んでくれる、私たちの日常に寄り添い人生に少しの彩りを添える良質な音楽。ずっとそばに置いておきたい、そんな作品にきっと出合えます。
掲載: 2019年11月18日 12:21