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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.65

カーメン・マクレエ『アフター・グロウ』(1957)

CM

カーメン・マクレエ(vo, with piano on 1,4,8,12)
レイ・ブライアント(p)
アイク・アイザックス(b)
スペックス・ライト(ds)

1957年3月6日、4月18日録音

曲目:
01.アイ・キャント・エスケープ・フロム・ユー
02.ゲス・フー・アイ・ソー・トゥデイ
03.マイ・ファニー・ヴァレンタイン
04.ザ・リトル・シングス・ザット・ミーン・ソー・マッチ
05.アイム・スルー・ウィズ・ラヴ
06.うまくやれたら
07.イースト・オブ・ザ・サン
08.イグザクトリー・ライク・ユー
09.オール・マイ・ライフ
10.絶対絶命
11.ドリーム・オブ・ライフ
12.パーディド

【アルバム紹介】
1.名シンガー、カーメン・マクレエの50年代後半の傑作
2.レイ・ブライアント・トリオをバックにバラード系楽曲で聴かせる
3.一日の終わりにふらっと入った店で、こんなジャズ・ヴォーカルの演奏が聴けたら・・・

前回ご紹介しましたレイ・プライアントのトリオがそっくりそのままバックで参加したジャズ・ヴォーカルの名盤を今回は取り上げます。
エラ・フィッツジェラルドやサラ・ヴォーンと並び称される女性ジャズ・シンガー、カーメン・マクレエの50年代後半、デッカに残された傑作アルバムのひとつです。

1922年にニューヨークのハーレムで生まれたカーメンは最初はピアニストとして活躍しますが、40年代後半にシカゴで弾き語りスタイルで活動、50年代初頭に再びニューヨークに戻って本格的なキャリアをスタートさせました。

1957年にレコーディングされた本作はレイ・ブライアント・トリオによる好サポートによって、そのヴォーカルの魅力をあますところなく発揮した内容になっており、楽曲はほぼバラード・ナンバーで構成され、インティメイトな雰囲気にあふれています。
しかも、収録曲のうち4曲はカーメン自身のピアノの弾き語りも聴けます。

アルバム・タイトルの『アフター・グロウ』は“夕映え”という意味。一日の終わりにふらっと入った店で、こんなジャズ・ヴォーカルの演奏が聴けたら最高だろうなあ、とそんな風に思わせられる、心に入り込んでくる一作です。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
1曲目“アイ・キャント・エスケープ・フロム・ユー”でアルバムの世界観がわかる。

楽曲的にはやや渋いナンバーを多く取り上げている本作、1曲目で聴かせるカーメンのヴォーカルのムーディな雰囲気が、まず本作の世界観を十分伝えてくれます。
“アイ・キャント・エスケープ・フロム・ユー”は1936年のアメリカ映画『Rhythm on the Range』(邦題『愉快なリズム』)の中でビング・クロスビーが歌ってヒットさせた1曲です。
ここでのカーメンの演奏は自身のピアノとベース、ドラムスとともに演奏しており、リラックスかつナイトリーな雰囲気がとても素敵です。
この他、2曲目“ゲス・フー・アイ・ソー・トゥデイ”、そして3曲目の名曲“マイ・ファニー・ヴァレンタイン”でも、そのセンシティヴな歌唱が存分に楽しめ、抑制のきいたロングトーンから、味わい深いビブラート、見事なダイナミクス・コントロールまで、カーメンの素晴らしい歌声が存分に堪能できます。

SHM-CD国内盤(一般普及盤)

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2020年02月21日 11:30