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Lucas Santtana(ルーカス・サンターナ)|8枚目のアルバム『O Ceu E Velho Ha Muito Tempo』

Lucas Santtana(ルーカス・サンターナ)アルバム『O Ceu E Velho Ha Muito Tempo』

2011年作『セン・ノスタルジーア』が大ヒット、「フォーテット+トン・ゼー+トム・ヨーク」と世界中から絶賛されたブラジル新世代の異才ルーカス・サンターナがパリの優良レーベル〈NO FORMAT!〉から放つ8thアルバム!

日本ではコアなブラジル音楽ファン以外に殆ど知られていなかったにも関わらず、世界デビュー作となった『Sem Nostalgia』でインディーロック・ファンからグルーヴ重視派、サイケデリック耳な人まで虜にしたルーカス・サンターナ。MPB を軸にレゲエ/ダブ、バイレ・ファンキなど作品ごとにコンセプトを変え多岐に渡る作風を披露してきたルーカスだが、本作ではアコースティック・ギターと歌のみというブラジル音楽の伝統的手法に回帰!

前作『Modo Aviao』から2年ぶりとなる本作は、母国ブラジルが抱える格差や政治腐敗など様々な社会問題への静かなる警句を潜ませた意欲作だ。"話したい奴は手を挙げろ/聞きたい奴は手を挙げろ/デモをしたい奴は自分で立ち上げれ"という不穏な語りが入るオープニング「Portal de Ativacao」。陽気なボサノヴァに乗せ権力者による刑事司法制度の悪用についてシニカルに歌う「Brasil Patriota」。ブラジルのポップ・ディーヴァ、ドゥダ・ビートとのデュオとなるラヴソング「Meu Primeiro Amor」でも裕福な家庭の女とスラム出身の男との格差恋愛が描かれている。心地よいボサのビートとメッセージ性の高いリリックの対比でブラジル社会の光と影を暗喩した、ルーカスらしい捻りの効いたSSW作品といえよう。

ブラジル国旗と同じ星座のもとシャーマニズムやヒンドゥー教、社会運動、マヤなど様々な文化のシンボルを抱いた大樹がそそり立つカヴァーアートは、アマゾン原住民ヤノマミ族のシャーマン&語り部Davi Kopenawaが著した『The Falling Sky』からインスピレーションを得たもの。「その空は年老いて久しく」という意味のアルバム・タイトルと共に本作のメッセージ性を象徴している。

全編に哀愁を湛えながらとてもドラマチック! 聴きこむほどに心の深い部分にジンワリと沁みてくる名作!「ワールド・ミュージック」の枠をとっぱらって聴いていただきたい!


【収録曲】
1.Portal de Ativacao
2.Ninguem Solta A Mao De Ninguem
3.Brasil Patriota
4.Um Professor Esta Falando Com Voce
5.Meu Primeiro Amor ft. DUDA BEAT
6.O Melhor Ha De Chegar
7.Todo se Transforma
8.Nao Vamos Nos Desgrudar Nunca Mais
9.O Bem Maior
10.Seu Pai

タグ : ブラジル

掲載: 2020年03月05日 17:55