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Benediction(ベネディクション)|イギリスのデス・メタル・バンドが12年ぶりのニュー・アルバム『SCRIPTURES』

Benediction(ベネディクション)『SCRIPTURES』

イギリスのデス・メタル・バンド、ベネディクション。その結成は89年にまでさかのぼる。当時まだ新進気鋭のレーベルであったニュークリア・ブラスト・レコードと契約し、90年に『Subconscious Terror』でアルバム・デビュー。ベネディクションがこうもスムーズにアルバム・デビューを果たした理由の1つに、マーク”バーニー”グリーンウェイの存在がある。89年、当時世界最高速のバンドとしてエクストリーム・メタル界の話題をさらっていたナパーム・デスからリー・ドリアンが脱退。その後任に、ベネディクションのヴォーカリスト、バーニーが抜擢されたのだ。バーニーは89年から91年まで、ベネディクションとナパーム・デスの二足の草鞋を履いていたのである。バーニー脱退後、デイヴ・イングラムが後任として加入。『The Grand Leveller』(91年)、『Transcend the Rubicon』(93年)、『The Dreams You Dread』(95年)、『Grind Bastard』(98年)の4枚のアルバムをリリースした。

98年にデイヴが脱退し、後釜としてアナール・ナスラックのデイヴ・ハントを迎えたベネディクションであるが、21世紀に入ると活動ペースがダウン。ツアーは続けていたものの、リリースしたアルバムは、『Organised Chaos』(01年)、『Killing Music』(08年)の2枚のみ。もう12年間も新作を発表していない状態が続いていたのである。だが、彼らもついに重い腰を上げた。

2019年、博士号取得のため、そしてアナール・ナスラックに専念するため、20年間連れ添ったデイヴ・ハントが脱退。すると、ギタリストのダレン・ブルックスはすぐに前任のデイヴ・イングラムに電話をかけた。まったく予期しないバンド復帰の誘いであったが、デイヴはその場で快諾。20年ぶりにベネディクションへの復帰が決まったのだ。そして、ついにヴェールを脱ぐニュー・アルバム『スクリプチャーズ』。12年ぶりのニュー・アルバム、そして20年ぶりの2代目ヴォーカリストの復帰であるが、ベネディクションはやはりベネディクション。イギリスのデス・メタル特有の、クラストやアナーコ・パンクからの影響を感じさせるデス・メタルをプレイし続けてきた彼ら。その信念は、30年間一度もブレたことがない。ブルータル・デス・メタル、メロディック・デス・メタルなど、さまざまな方向へと枝分かれしてきたデス・メタル。だが、ベネディションがプレイしているようなスタイルこそ、本来デス・メタルが目指していたものだ。オールドスクール・デスのファンならば、これを聴いてアガらぬはずはない。

クレイドル・オブ・フィルスやヴェイダーなどを手がけたスコット・アトキンスによるミックスも見事。元デス、マサカーのカム・リーがゲスト参加しているのもオールドスクール・デス・メタル・ファンには嬉しいところ。


・国内盤CD(日本語解説書封入/歌詞対訳付)


・輸入盤CD



【メンバー】
デイヴ・イングラム(ヴォーカル)
ダレン・ブルックス(ギター)
ピーター・リュー(ギター)
ダン・ベイト(ベース)
ジョヴァンニ・ダースト(ドラムス)

【収録曲】
01. イテレーションズ・オブ・アイ
02. スクリプチャーズ・イン・スカーレット
03. ザ・クルーキッド・マン
04. ストームクロウ
05. プロジェニターズ・オブ・ザ・ニュー・パラダイム
06. ラビッド・カーナリティ
07. イン・アワー・ハンズ、ザ・スカーズ
08. テア・オフ・ジーズ・ウィングス
09. エンブレイス・ザ・キル
10. ネヴァーホエン
11. ザ・ブライト・アット・ジ・エンド
12. ウィー・アー・リージョン

Benediction(ベネディクション)

photo by Karen Rew

 

HARD ROCK/HEAVY METAL

タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)

掲載: 2020年09月02日 17:19