Leyla McCalla(レイラ・マッカラ)|アワ・ネイティヴ・ドーターズでもお馴染みレイラの限定ファースト・ソロ・アルバム『Vari-Colored Songs: A Tribute To Langston Hughes』が復刻
リアノン・ギデンズ率いる〈キャロライナ・チョコレート・ドロップス〉のチェリストとして、そして2019年結成のスーパー・グループ〈アワ・ネイティヴ・ドーターズ〉での活動でもすっかりお馴染みとなったハイチの血を引く女性SSW/マルチ・プレイヤー、レイラ・マッカーラ(マキャーラ)。彼女が2013年に限定リリースしたファースト・ソロ・アルバムがついにリイシューされることとなりました。
レイラ・マッカーラは1985年10月3日ニューヨーク市クイーンズ生まれ。ハイチ人の両親の元、移民の子としてニュージャージー州メイプルウッドで育ちました。父親はニューヨークに拠点を置く全国ハイチ移民権利保護活動連合の事務局長であり、母親は家庭内暴力反対を掲げる人権団体DWA FANMの設立者として活躍。さらに祖父はNYに本社を構えるハイチ社会主義系新聞社〈ハイチ・プログレス〉の経営者という社会運動家家系をバックグラウンドに持っています。そんな彼らの血を引く彼女はコロンビア高校卒業後、ガーナで2年間を過ごし、帰国後はニューヨーク大学に進学。そこでチェロの演奏と室内楽を学びました。2010年にはルイジアナ州に転居。ニューオーリンズのストリート・ミュージシャンとしてチェロのみならず、バンジョウやギター演奏など、マルチプレイヤーとしての腕もそこで磨いていきました。ストリートでの活動を開始した翌年にはチェリストとしてキャロライナ・チョコレート・ドロップスに加入しますが、ソロ・アーティストとしてのキャリアを優先するため、2013年に脱退しています。
今回ご紹介するのは彼女がキャロライナ・チョコレート・ドロップス脱退後、ソロ・アーティストとしてリリースしたアルバム第1作目。彼女がアーティストを志すきっかけになったというアフリカ系アメリカ人作家/思想家、ラングストン・ヒューズ(1902-67)に捧げられたオマージュ作品です。白人の視点によるステレオタイプの黒人像が横行する時代に、黒人である自らの目でその実像を描き出し、普遍的な人間像というものを浮き彫りにしたラングストン・ヒューズの作品は、今も変わることなくアフリカ系アメリカ人たちの共感と感動を呼び続けています。
この作品で彼女は、自作の歌詞にヒューズの詩の一部などを取り入れつつ、アメリカン・ルーツ・ミュージック・テイストを取り入れたオリジナル曲や、彼女のもう一つのルーツであるハイチ音楽も演奏。両親の生まれ故郷であるハイチと彼女が生まれ育ったアメリカの地から受けた1つの音楽的影響を絶妙に溶け合わせ、自身のアイデンティティを表現しています。[1]はチェロと彼女の歌をメインにした自作曲。浮遊感溢れるカントリー風スチール・ギターの音色も重なり合い、美しくも悲痛なアメリカの現実を描き出しています。[7]ではバンジョウ、[8]ではギターの弾き語りとマルチプレイヤーとしての彼女の魅力もたっぷりと披露し、[11]ではクラーベのリズムと共にクレオール語で歌う、本格的なハイチ民謡も聴くことができます。発売当時NYタイムズは“彼女の透明感あふれる美しい音楽の奥底には、家族、記憶、孤独、そしてこの世の無情の何たるかを知る心が内包されている”と評し大絶賛。アワ・ネイティヴ・ドーターズの作品に感銘を受けた方には是非一度聴いていただきたい、非常に意義深い作品です。ブラック・アメリカンの歴史にご興味を持たれている方、そして上質なアメリカーナ作品をお求めの方にはまさにうってつけの一枚!
国内盤CD(日本語解説/帯付き)
輸入盤CD
輸入盤LP
【収録曲】
1. Heart of Gold
2. When I Can See the Valley
3. Mesi Bondye
4. Girl
5. Kamen sa w fe?
6. Too Blue
7. Manman Mwen
8. Song for a Dark Girl
9. As I Grew Older / Dreamer
10. Love Again Blues
11. Rose Marie
12. Latibonit
13. Search
14. Lonely House
15. Changing Tide
タグ : リイシュー
掲載: 2020年10月16日 14:59