Sigur Ros(シガー・ロス)|2002年収録のオーケストラとのコラボ作品『ODIN’S RAVEN MAGIC』登場
独自の世界観で聴くものを魅了し続けるアイスランドのポスト・ロック・バンド、シガー・ロス。その彼らが2002年初演のオーケストラとのコラボレーション作品、『ODIN’S RAVEN MAGIC』をCDと2枚組アナログLPでリリースする。
14世紀、もしくは15世紀に古エッダの形式で書かれたアイスランドの詩『ODIN’S R
AVEN MAGIC』(『オージンのワタリガラスの呪文歌』もしくは『オーディンの鴉の歌』)をもとに、シガー・ロスがアイスランド映画音楽家/作曲家であるHilmar Orn Hilmarsson、そしてアイスランドのミュージシャンであるSteindór AndersenとMaria Huld Markan Sigfúsdóttirらとともに作り上げたコラボレーション作品である。
2013年の『KVELKUR』 に続く作品として制作された本作『ODIN’S RAVEN MAGIC』。今作に収録されているのは、18年前、イギリスはロンドンのバービカン・シアターでSchola Cantorum of Reykjavík(アイスランド交響楽団)とL’Orchestre des Laureats du Conservatoire National de Paris(パリ音楽院管弦楽団)と収録したヴァージョンである。ドラマティックで美しく、また古典的でありながら現代的な詩の世界を見事に現代に蘇らせた本作では、特にポール・グズムンドソが演奏する、この作品の為に作られた石製のマリンバも強い印象を与えている。
本作のインスピレーションとなった詩『ODIN’S RAVEN MAGIC』は、ノルウェーの学者Sophus Buggeが17世紀の製作であると主張した1867年以来、古エッダに収録されなくなり、主流の古代文学から外れた存在となっていた。その後、21世紀になり、この説に異論が唱えられ、文学的、及び言語的議検証を経て、また新たな研究により『ODIN’S RAVEN MAGIC』はより古い時代に成立した作品であるとの結論がでており、古エッダに再編されたという。ヴァルハラの神々が祝宴に夢中になっている間、神々と人間の世界の終わりを予言する可能性のある不吉な兆候が現れたと綴るこの詩は、環境問題を抱えた現代アイスランドへの警告でもあると、本作に関わっているHilmar Orn Hilmarssonはコメントしている。
2002年の初演から18年、ようやくファンの手に届けられたシガー・ロスの音楽史のミッシング・リンク。それがアイスランドの古代文学と伝説に現代アイスランドのミュージシャンたちの新たな解釈が加わった本作『ODIN’S RAVEN MAGIC』である。
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掲載: 2020年10月30日 16:13