Dale Berning(デール・バーニング)|はかなくも美しいサウンドアートの傑作『The Horse Stories』が復刻
ジョージアン様式の田舎の家、絨毯が敷き詰められる階段の上には、青い木馬が静止した状態でたたずむ。前にある窓は閉じられ、眼下には緑の丘、 木々、野原が広がる。一人の子供が静止する木馬にまたがり、居心地の良いその部屋を去らずして、遥かかなたへと旅を始める。木馬の動く様子というのはゆり かごやブランコ、または子守唄のようである。それは静けさや調和であり、家の中からどこかに思いを馳せることなのだ。
ロンドン在住のアーティストDale Berningによる「The Horse Stories」は、さわひらきの映像作品「Going Places Sitting Down」のサウンドトラック。長らく廃盤となっていたFLAUの初期カタログの一つが、14年ぶりにDale自身の描き下ろしの新装アートワークでリイシューとなります。
収録楽曲は実際にさわひらきが撮影に使った田舎の家とその庭にある音から構成されています。バスルームの水の音、石に滴る雨水のしずく、グラスに注がれた スパークリングウォーター、ウィンドベル、時計、レコードプレーヤー…それから同じ旋律をひたすら繰り返すオルゴールの音。日常に溢れる音の繊細な響きや テクスチャーの豊かさを再提示したこの作品は、Daleのいう「静けさに身をゆだねること、そして耳を傾けること」の大切さに気づかせてくれる、はかなくも美しいサウンドアートの傑作といえます。
彼女の作る音は、私たちのDNAに直接語りかける。力強く、そして優しく。
それは音楽を聞くというよりは、体験をするというのに似ているかもしれない。
もちろん実際の体験ではないのだが、そんな気持ちにさせられる。
ただ素直にそれに身を委ねたい、そういうものだ。
– 内橋和久
風鈴や水滴やオルゴールがワープされた音との語らい。
木洩れ日のようなひびきに身をゆだねてみたい。
– haco
もったいない夜に、寝るのをやめて聴くことにしよう。
夜中に独りひっそりと、あったかいお茶なんかあればもう至福。
– 梅田哲也
静かで音数も少ない、とてもミニマルなアルバムなのに物凄い歌心。
ごく単純なループ主体なのに、永遠に聴けてしまうような心地よさ。
そして穏やかという、個人的に弱いツボを一度に押された感じ。
SPEKKにこのデモが届いていたら、間違いなくリリースしていただろうくらいに大好きな作品でした。
mondii (PLOP / SPEKK)
【収録曲】
01 Vase
02 Room
03 Swimming
04 Carpet
05 Shadow Moving
06 Another One
07 Piano
08 Fireworks
09 Beat
10 Jungle
11 Central Heating
12 Oven
13 Ship and Camel
14 Keyhole
15 Flock
タグ : リイシュー
掲載: 2020年12月21日 16:44