Bob Dylan(ボブ・ディラン)|デビュー直前のFMライヴ1時間スペシャル!1962年、弾き語りラジオ出演の鮮烈な全11曲を収録した貴重音源集
1962年3月のデビューアルバムの発売に合わせて放送された、ニューヨークのラジオ局、WBAI『フォークシンガーズ・チョイス』での特別ライヴを完全収録。番組は1時間枠のすべてがディランのために用意され、自身もフォーク・シンガーであるシンシア・グッディングがナビゲーターを務めます。ビレッジで活動していた彼女は、ディランの17歳年上の先輩であり、知り合いでもあったことから、打ちとけた雰囲気の中、11曲の弾語りを披露します。 デビューアルバムは前年の11月に録音を終えていて、このラジオ収録が1962年1月(2月説も)。この時点で、すでにそのアルバムの事は過去のものとディランは思っているらしく、ここで演奏されたデビューアルバム収録曲は「Fixin' To Die」のわずか1曲のみ。
レコード会社の都合や、聴衆の求めることなんて知らんわ!とばかりに、1年後に完成をみる『フリー・ホイーリン』のフェイズに、既に入っていたのでしょう。フォーク調の自作曲「辛いニューヨーク」や、「Hard Travelin'」を嬉々として披露。強烈なプロテスト・ソング「ザ・デス・オブ・エメット・ティル」の演奏を終えると、司会のシンシアは、「早くウディ・ガスリーに聴かせなきゃ」と。カバーではハンク・ウィリアムズ、ハウリン・ウルフなどブルース寄りな演目で、デビューアルバムから、セカンドアルバムへと移り行くディランの現在地がここなのでしょう。
1曲ごとにシンシアの質問に、リラックスしながら答えるディランは、このとき弱冠20歳。照れる様子が実に初々しい!会話の中では、自作曲の元ネタなどにも言及。「ビレッジで○×○×に教わったんだ。このコード使えよ!とか言われてそのまま頂いちゃったのさ」と、そこまで言うか?!のマニアには堪らない発言連発。ハンガーを改良してハーモニカホルダーにしていた話など、非常に興味深いディラン史上初となるこのインタビューは、本CDのブックレットに12頁を割いて、日本語対訳を全文掲載しました。
「若者のリーダー」、「フォークの変革者」と祭り上げられ、心に城壁を築く前の、無垢なディランに驚かれるでしょう。きっとこんな風に、毎晩ビレッジのカフェで弾語りをしていたのだと思います。そんな1962年の嘘偽りないディランのライヴが、ラジオというこれ以上無い音質クオリティで残されていたのです。
デビュー作『ボブ・ディラン』発売直前の1962年3月放送のラジオ・ライブ。驚くべきスピードで進化するディランが、この時点での現在地を示した貴重なライヴです。
★当時の状況、エピソード、曲目などの日本語解説ライナーノーツ
★日本著作権協会JASRAC許諾商品
★Getty Images Japanのライセンス写真使用ジャケ
国内盤CD
■収録曲
(I Heard That) Lonesome Whistle
Fixin' To Die
Smokestack Lightning
Hard Travelin'
The Death Of Emmett Till
Standing On The Highway
Roll On, John
Stealin' Stealin'
Makes A Long Time Man Feel Bad
Baby Please Don't Go
Hard Times In New York Town
WBAI Studio's, New York City. Aired on March 11th. 1962
Cynthia Gooding Show
曲間に司会者との会話含む
タグ : ロック復刻&発掘
掲載: 2021年08月11日 12:27