WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.142
ベニー・ゴルソン『グルーヴィン・ウィズ・ゴルソン』(1959)
ベニー・ゴルソン(ts)
カーティス・フラー(tb)
レイ・ブライアント(p)
ポール・チェンバース(b)
アート・ブレイキー(ds)
1959年8月28日、ニュージャージーにて録音
曲目:
01.マイ・ブルース・ハウス
02.ドラムブギ
03.時さえ忘れて
04.ザ・ストローラー
05.イエスタデイズ
【アルバム紹介】
1.抜きん出た作曲の才能を持つ名テナー・サックス奏者ベニー・ゴルソン
2.ニュー・ジャズ・レーベルでのハード・バップ・セッション
3.トロンボーンの名手カーティス・フラーをフィーチャーしたクインテット編成
今回紹介するアーティストも前回に続き、名テナー・サックス奏者ですが、他のプレイヤーと大きく違うのは、抜きん出た作曲の才能があるところです。
“ウィスパー・ノット”、“ブルース・マーチ”、“アロング・ケイム・べティ”、“ファイヴ・スポット・アフター・ダーク”、“キラー・ジョー”、そして名バラード“アイ・リメンバー・クリフォード”etc.
ジャズのスタンダードとしても知られるこれらの名曲はすべてベニー・ゴルソンの作曲によるものです。
本作はゴルソンがニュー・ジャズ・レーベルに残した6作目のリーダー・アルバムで、自身のオリジナルとスタンダード曲を交えたハード・バップ・セッションになっています。
編成はクインテットですが、通常トランペットが入るところにトロンボーンの名手カーティス・フラーを加えており、ピアノはレイ・ブライアント、そしてベース&ドラムスはポール・チェンバース&アート・ブレイキーという強力なリズム・セクションになっています。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
渋いオリジナル・ブルース“マイ・ブルース・ハウス”。
スタンダード曲の3曲目や5曲目もアレンジなどが秀逸で十分聴かせますが、ゴルソン自身のオリジナルでその神髄を堪能してみようということでこの1曲目のブルースを聴いておきたいところです。
12小節のメジャー・ブルース形式のシンプルなナンバーであり、ミッドテンポのどっしりとしたスング・ビートで、アート・ブレイキー以外の各プレイヤーのソロもたっぷりフィーチャーした9分半近い演奏になっています。
ブルージーなテーマはサックスとトロンボーンのユニゾンで演奏され、ソロはトロンボーン、テナー・サックス、ピアノ、ベースの順で展開されてゆきます。
フラッと入ったジャズ・クラブでいきなりこんな演奏を目の当たりにすると、その雰囲気に引き込まれ、どこかリラックスしながら本物のジャズを聴いてるというぜいたくな満足感に浸れそうです。
国内盤SHM-CD(一般普及盤)
タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2021年08月27日 10:00