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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.180

ジョン・コルトレーン『インプレッションズ』(1963)

JC

ジョン・コルトレーン(ts,ss)
エリック・ドルフィー(bcl)
マッコイ・タイナー(p)
レジー・ワークマン、ジミー・ギャリソン(b)on Track 1
エルヴィン・ジョーンズ、ロイ・ヘインズ(ds)on Track 4

1961年11月3日(Track 1,3)、NYヴィレッジ・ヴァンガードにてライヴ録音
1962年9月18日(Track 2)、1963年4月29日(Track 4)、ニュージャージーにて録音

曲目(LP初発売時):
01.インディア
02.アップ・ゲインスト・ザ・ウォール
03.インプレッションズ
04.アフター・ザ・レイン

【アルバム紹介】
1.ライヴ録音とスタジオ録音で構成されたアグレッシヴな傑作
2.ソプラノ・サックスによる素晴らしいプレイも披露の全曲オリジナル
3.鬼才エリック・ドルフィーがバス・クラリネットで参加など個性が光る演奏

前回のジョニー・グリフィンに続き、テナー・サックス奏者の名盤として今回取り上げるのは、ジョン・コルトレーンのアグレッシヴな傑作です。
このアルバムは60年代初頭のNYの名ジャズ・クラブ、ヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ録音音源とニュージャージーにある名ジャズ・エンジニア、ルディ・ヴァン・ゲルダーのスタジオでの録音音源の組み合わせで構成されています。

ジョン・コルトレーンはテナーマンとしてだけではなく、ソプラノ・サックス奏者としての素晴らしいプレイを披露しており、それが本作の人気の秘密となっています。
ライヴ音源は10分を超える力演で、また全曲コルトレーン自身のオリジナル楽曲であることも含め、演奏、曲ともコルトレーンの魅力全開の内容です。

メンバーはライヴ音源の“インディア”には鬼才エリック・ドルフィーがバス・クラリネットで参加しており、レジー・ワークマン、ジミー・ギャリソンという2ベースの編成というのが興味深いです。他はピアノにはマッコイ・タイナー、ドラムスはエルヴィン・ジョーンズというコルトレーンのカルテットの主要メンバーですが、スタジオ録音の4曲目“アフター・ザ・レイン”ではドラムスがロイ・ヘインズになっています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
疾走感あふれるタイトル・ナンバー“インプレッションズ”。

本作はこの曲がもっとも聴きどころでしょう。15分にも及ぶ力演で、コルトレーンがすさまじいテナー・サックスの神がかり的演奏を展開しています。
この曲はコルトレーンもセッションに参加しているマイルス・デイヴィスの傑作『カインド・オブ・ブルー』に収録の名曲“ソー・ホワット”のコード進行と楽曲構造を下敷きにしたナンバーであるのは良く知られています(参照:WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.2)
テーマは非常に短く、曲が始まって40秒ぐらいのところから、ソロに突入してゆきます。そして2分半ぐらいのあたりで、マッコイ・タイナーのピアノが姿を消し、コルトレーンのこれでもかというブロウがそのあと10分以上にわたって続きます。そのバックで、暴れまくるドラムスのエルヴィン・ジョーンズとあわせて聴いていると、まるで二人のフリー・インプロヴィゼーションを聴かされているような、圧倒的な名演となっています。
本作がレコーディングされてから、60年ほどの月日が流れていますが、このような熱量のジャズのアルバムはやはりこの時代ならでは、ということをあらためて実感いたします。

国内盤SHM-CD(一般普及盤)

 

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2022年05月27日 10:00