週刊ライドオンタイム 第7号
11年ぶりとはオマタツが過ぎますが、山下達郎、待望のオリジナルアルバム『SOFTLY』発売のビッグニュースにいてもたってもいられないタワレコスタッフにより結成された<週刊ライドオンタイム編集部>による音盤紹介コラム。ニューアルバム『SOFTLY』発売まで毎週upしてまいります、ひとつよしなに!
【今回は…】
今週は、数々の達郎ワークスからオススメしたい作品をアーティスト名しりとり形式で紹介してまいります。6/22発売ニューアルバム『SOFTLY』のジャケットがヤマザキマリさんによる達郎さんの肖像画ということで最初の文字は<絵(え)>から....※尚、しりとり形式であることに深い意味やオマージュはございません。(タワーレコード:ムラタツ)
EPO『JOEPO~1981KHZ』
<え>といえば<エポ>。
EPOさん初期作品には達郎さんが関わり実り多いコラボ曲を生み出しています。
1st『DOWN TOWN』収録の 「DOWN TOWN」、2nd『GOODIES』収録の「GOODIES」「分別ざかり」では達郎さんが編曲。そして本作3rd『JOEPO』でも達郎さんは作曲・編曲・演奏・コーラスで参加しております。
本作3rd『JOEPO』は、粒ぞろいの楽曲と敏腕ミュージシャンによる演奏に加え架空のラジオ局の設定でジングルをいれて曲を繋いでいくラジオ愛溢れる遊び心がナイスな極上のポップアルバム。達郎が自身作『ムーングロウ』用オケを採用した(4)「真夜中にベルが2度鳴って」。達郎編曲(3) 「身代わりのバディー」には伊藤広規、青山純、竹内まりや、吉田美奈子、大貫妙子、松村邦男、難波弘之、土岐英史ら達郎ファミリーが大挙参加!また清水信之編曲(6)「ポップ・ミュージック 2ND. 」(9)「逆さ時計が欲しい 」には村上ポンタ、今剛、鳥山雄司らが参加。(8)「エスケイプ」は大村憲司が編曲&ギター...と達郎がらみ以外もパーフェクトな仕上がり!そしてラスト(10)「DOO WAK DOO」に滲むドゥーワップ愛にも感涙....ホントに素敵な名盤です!
村上"ポンタ"秀一『WELCOME TO MY LIFE』
<達郎ワークスしりとり>、<エポ>の<ポ>に続くのは<ポンタ>で。
達郎さんがポンタさんと演奏を共にし、新しい日本のポップミュージックを切り開いたアルバム「SPACY」('77)、「IT'S A POPPIN' TIME 」('78)は今だ刺激的であることは言うまでもありません。そんな戦友同志が時を経て再び相まみえたのが、98年のポンタさんデビュー25周年記念アルバム。天下の村上ポンタだからこそ集まった二度とない超・豪華メンツによる本作でしか聴けない新録カヴァー16曲を収録。主な内容はコチラの通り→井上陽水(ビートルズを)/桑田佳祐(クラプトンメドレー)/沢田研二(ストーンズを)/忌野清志郎(ザ・バンドを日本語意訳で)/Char(近藤房之助とブルーズを)/矢野顕子(山下洋輔と「青い山脈」を)/大貫妙子(ジェーン・バーキンメドレー)/吉田美奈子(渡辺香津美とジャズを)/高中正義(ラテンを)/大村憲司(複数のセッションに登場)/仲井戸"CHAO"麗市(清志郎と共に)/NOKKO(ジャクソン5を)/泉谷しげる(「ヨイトマケの歌」を)/森高千里、真矢(ドラム合戦に参戦!)、、、とヴォーカリスト、プレイヤー達がポンタと真剣に遊んでいる様が実にスリリング!そんななか我らの達郎さんはバカボン鈴木(eb.)佐山雅弘(ap.)を交えコール・ポーター作のジャズ・スタンダード「l'VE GOT YOU UNDER MY SKIN」を歌唱。この歌唱がまた素晴らしく達郎ヴォイスのオイシイところが詰まった極上な3分24秒なのです。2021年3月9日に亡くなったポンタさんを偲んでの「サンデーソングブック」4月11日放送回『極私的 村上ポンタ秀一 追悼特集』では、この楽曲がエンディングでオンエアされました。村上ポンタよ、永遠なれ!
木村拓哉『Next Destination』
<達郎ワークスしりとり>続けます。
<ポンタ>の<タ>に続くには木村拓哉さんのファーストネーム<拓哉>で。
2022年最初のビッグニュースといえば、1月19日発売の木村拓哉2ndアルバムに達郎さんが3曲を提供の報。そのいきさつについては、ラジオ『木村拓哉 Flow supported by GYAO!』(TOKYO FM)に、2月のマンスリーゲストとして達郎さんが出演し語っておりました。ことの始まりは95年発売の竹内まりやシングル「今夜はHearty Party」へのゲスト参加。そのスタジオで木村さんに出会った達郎さんは、木村さんが纏うオーラに打たれスターとしての魅力に注目。2020年の木村さんライヴを観覧した達郎さんが<ヴォーカリスト木村拓哉>の達郎流プロデュース、その方向性を見出し、達郎さんからの逆オファー的流れで異例の3曲提供となったそうです。その後のレコーディングで木村さんは、達郎ポップミュージック塾の門下生の如くエッセンスを伝授され、バンドのオケ録りに立ち合い歌唱する、などたくさんの初体験を経て3曲が完成。「MOJO DRIVE」(作詞:真島昌利)「MORNING DEW」(作詞:真島昌利)「Good Luck, Good Time」、最新達郎ワークスとしても要チェックな仕上がりです!
山下達郎『CHEER UP! THE SUMMER』
<達郎ワークスしりとり>、<拓哉>の<ヤ>に続くには<山下達郎>で。
この「週刊ライドオンタイム」、毎回の盤紹介の最後の盤を達郎関連でオチつけるという不文律があるのですが今回はしりとりの都合上中盤で登場となります。さて皆様、ニューアルバム『SOFTLY』収録シングルのコレクション漏れございませんでしょうか?以下はシングルカップリングでシングルCDでしか聴けないライヴ音源です。こちらのチェックもお忘れなく....
・シングル『CHEER UP! THE SUMMER 』
(2) CAN'T TAKE MY EYES OF YOU ~君の瞳に恋してる~ (LIVE)
・シングル『REBORN』
(4) ターナーの汽罐車 -Turner's Steamroller-(Live Version)
(5) DRIP DROP(Live Version)
・シングル『ミライのテーマ / うたのきしゃ』
(3) 僕らの夏の夢(Acoustic Live Version)
・シングル『RECIPE(レシピ)』
(2) サウスバウンド #9(2019 Live Version)
少年隊『湾岸スキーヤー』
<達郎ワークスしりとり>、<山下達郎>の<ウ>に続くには<植草克秀>。
錦織 一清、植草克秀、東山 紀之による少年隊、2020年に35周年を迎え近年増々評価が高まっている彼らの楽曲から達郎ワークスの名曲「湾岸スキーヤー」を紹介いたします。93年にCMソングとして誕生(達郎ヴァージョンは公式HP、コンサート会場で購入可能な『山下達郎CM全集 Vol.2』にCM用40秒版を収録)、その後98年に少年隊のシングル曲として、秋元康(作詞)Alan O'Day(補作詞・作曲)井上鑑(編曲)が加わり完成、発表されました。達郎さんによるジャニーズアーティストへの楽曲提供は、近藤真彦『ハイティーン・ブギ』(作詞:松本隆/作曲・編曲:山下達郎)、KinKi Kids『硝子の少年』(作詞:松本隆/作曲・編曲:山下達郎)、嵐『復活LOVE』(作詞:竹内まりや/作曲・編曲:山下達郎)、NEWS『SNOW EXPRESS』(作詞:伊達歩/作曲:山下達郎)など多数ございますが、少年隊への唯一の提供曲である本作は、ファンキーなギターカッティングを基調とした王道タツローダンサーとして不滅の魅力を放ち続けております。ちなみに錦織一清さんは2021年10月29日にNONA REEVESとタッグを組んでシングル『Cafe Uncle Cinnamon』を発表。収録曲には洋楽ヘビーリスナーである錦織さんが愛するザ・スタイル・カウンシルのカバー「My Ever Changing Moods」も。
Debbie Gibson『グレイテスト・ヒッツ』
<達郎ワークスしりとり>、<植草克秀>の<デ>に続くのは<デビー・ギブソン>。
86年にデビューし全米チャートを席巻したシンガー、デビー・ギブソン。アイドル的人気と実力を兼ね備えたニュースターとして日本でも人気を博しました。そんなデビー・ギブソンに達郎さんは2曲を提供しております。まずは90年にドラマ主題歌として日本限定リリースされた「Without You」。もう1曲は92年のアルバム『Body Mind Soul』収録の「Eyes of The Child」。
「Without You」は一聴すればお気づきになると思いますが、ズバリ「さよなら夏の日」の英語版です。メロディが若干異なる部分がありますが基本的には「さよなら夏の日」につき沁みるバラードになっております。いい曲です。そして「Eyes of The Child」では多重コーラスでも参加。しっかり達郎印が押されたこれまた佳曲。この2曲はこちらのベストCDのボーナストラックとして収録されておりますので是非チェックを。
<達郎ワークスしりとり>、<デビー・ギブソン>で最後が<ン>になってしまいましたので、これにてゲーム・オーバーとなります。
お付き合いいただきありがとうございました。
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山下達郎、11年ぶりのオリジナルアルバム『SOFTLY』6月22日発売
ハルナ、プロデューサーに佐橋佳幸を迎えた初となるフルアルバム『Hometown』7月6日発売
今年2022年の山下達郎のツアーにもコーラスとして参加するシンガーソングライターのハルナ初となるフルアルバム『Hometown』。
本作品『Hometown』のプロデュースおよびギターには、山下達郎バンドのメンバーとして活躍している佐橋佳幸、キーボードに柴田俊文、コーラスに三谷泰弘、ENAの4名が参加。このほかドラムに坂田学、ベースに鹿島達也、バンジョー、フィドルに有田純弘も参加。演奏家としてそれぞれ日本の第一線で活躍する、豪華なメンバーで構成されている。
"Hometown"には山下達郎がコーラスに参加、およびコーラス・アレンジのスコアを担当した2曲"太陽の背中"、"風の吹く方へ"を収録。さらにボーナストラックとして、シュガー・ベイブのカバー曲"いつも通り~雨は手のひらにいっぱい(ブルースアレイジャパン LIVE)"ライブ音源によるメドレー曲も収録。
タグ : 週刊ライドオンタイム
掲載: 2022年06月03日 12:00