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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.183

アート・ペッパー『ムーチョ・カラー』(1958)

APM

アート・ペッパー(as)
コンテ・カンドリ(tp)
ビル・パーキンス(ts)
ラス・フリーマン(p)
ベン・タッカー(b)
チャック・フローレス(ds)
ジャック・コンスタンツォ(Congas)
マイク・パチェコ(Bongos)

1958年4月24日、ロサンゼルス、フォーラム・シアターにて録音

曲目:
01.ムーチョ・カラー
02.枯葉
03.マンボ・デ・ラ・ピンタ
04.四月の思い出
05.ヴァヤ・ホンブレ・ヴァヤ
06.アイ・ラヴ・ユー
07.マンボ・ジャンボ
08.オールド・デヴィル・ムーン
09.パーノッド
10.ザット・オールド・ブラック・マジック

【アルバム紹介】
1.名アルト・サックス奏者アート・ペッパー没後40年(6月15日が命日)
2.ウエストコースト・ジャズの名手揃い、パーカッション入り8人編成のラテン・ジャズ作
3.作編曲の才能が光るオリジナル、スタンダードを交えた全10曲

前回のキャノンボール・アダレイに続いて二人目のアルト・サックス奏者はウエストコースト・ジャズ・シーンの名プレイヤーとして名を馳せたアート・ペッパーを取り上げます。
実は6月15日がアート・ペッパーの命日であり、2022年でちょうど没後40年となります。

本作は一言でいえば“ラテン・ジャズ・アルバム”となります。 参加メンバーはトランペッターのコンテ・カンドリ、テナー・サックスのビル・パーキンス、ピアノのラス・フリーマンらウエストコースト・ジャズの名手揃いで、二人のパーカッション奏者を加えた総勢8人編成での演奏になっています。

楽曲はオリジナル曲が5曲(1,3,5,7,9)とスタンダード5曲の構成。アート・ペッパーは3曲目“マンボ・デ・ラ・ピンタ”で作編曲、続く4曲目のスタンダード“四月の思い出”のアレンジを手掛けており、他名作編曲家のビル・ホルマンによるオリジナル(1,5曲目)とアレンジ(1,5,6,8,10曲目)、サックス奏者のベニー・カーターのアレンジ(2曲目)、本作のトランペッター、コンテ・カンドリの作編曲(7曲目)、そして映画音楽作曲家として知られたジョニー・マンデルの作編曲(9曲目)という内容になっています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
熱くけだるいタイトル・チューン“ムーチョ・カラー”。

タイトル曲はスペイン語で“とても暑い”という意味になるようで、そんな空気感をも表現したような曲になっています。 曲の始まりはパーカッションにリードされた、けだるげな8分の6拍子によるリズムが、ブルーなテーマを提示して進んでゆきます。テーマが終わると、軽快な4ビートに転じ、まずはアート・ペッパーによるアルト・サックスのライトで歌心溢れるソロが始まります。続いて、トランペット、テナー・サックス、ピアノとソロが回され、再びペッパーにソロが戻ると、ドラムスとの4バースの掛け合いが始まります。それが一段落するとまた8分の6拍子によるブルーなテーマが回帰され、エンディングへと向かいます。
本作は、実際にはアート・ペッパーのリーダー作、というより、マイナー・レーベルのアンデックスに吹き込まれたウエストコースト・オールスターズというべきアルバムなのですが、1977年に初めて日本盤LPが発売された時はちょうどアート・ペッパーが初来日公演を行った年であり、次に日本盤がリリースされたのがその10年後1987年で、この時は初のCD化となり、タイトルも『アート・ペッパーズ・ムーチョ・カラー』となっていたため、日本ではいつのまにかア―ト・ペッパーのアルバムという認知が広まっていった一枚、と解釈できます。50年代後半はペッパーにとって絶頂期ゆえ、悪かろうはずがなく、その名演を心ゆくまで堪能できる傑作と言えます。補足ではありますが、“ジャケ買い”な一枚としても通用するアルバムです。

国内盤CD

 

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2022年06月17日 11:00