パイドパイパーハウス イン タワーレコードオンライン:CLASS OF 1972 Vol.3
今年7月15日、パイドパイパーハウスがタワーレコード渋谷店内にショップ・イン・ショップとして営業を始めてから6年目を迎える。
青山パイド(1975年~1989年)の閉店から27年を経て、復活した当初はあまりに長いブランクに浦島太郎のような気分だった。しかし、タワーレコードのスタッフのサポートやお客様の応援もあり、少しずつ、勘を取り戻し、現在に至っている。
有名無名、洋邦、新旧問わず、グッド・ミュージックを紹介していくのが青山以来変わらないパイドのモットー。これからもオリジナル商品の企画、再発盤の監修等、パイドならではの独自路線で音楽の魅力を伝えていくつもりだ。
『CLASS OF 1972』Vol.3
2022年4月からスタートした本コラム、少し間が空いたがとりあえず、今回が最後となる。読んでいただいた皆様、ありがとうございました。
1972年リリースの名盤という括りで、時を超え、今、聴かれるべきと筆者が考えるをアルバムを最初、数十枚をリストアップした。しかし、残念ながら、輸入盤も国内盤も廃盤のため、現在入手不能なものが多く、最終的に20作品に満たないラインナップとなった。
今回、紹介するアルバムも1972年秋から73年春のホンの短い期間、営業していたロック喫茶ディスクチャートでよくかけていたものばかり。特に思い入れが深い、ベン・シドラン、トレイド・マーティンの2枚の世界初CD化を実現出来た時は心の中で快哉を叫んだもの。そして、この2枚が今もパイドパイパーハウス店頭に並び、オンラインでも入手出来るということが嬉しく誇らしい。
Donny Hathaway『LIVE』
トルバドール(ロス・アンジェルス)とビター・エンド(ニューヨーク)というふたつの名門クラブで行われた公演を収めたライヴ・アルバム。フィル・アップチャーチ、コーネル・デュプリー、ウィリー・ウィークスらの名人芸と誠実で包容力あるハサウェイの歌、会場の親密な空気が伝わる臨場感、全て最高!自作の名曲「The Ghetto」「We're Still Friends」ほか「What' Going On」「You've Got A Friend」等のカヴァー収録。
Ry Cooder『Into The Purple Valley』
ウディ・ガスリー、レッドベリー、ジョニー・キャッシュのカヴァーやフォーク、ブルースのトラディショナル曲等、アメリカン・ルーツ・ミュージックの若き探求者(当時25歳!)による傑作セカンド。1stのプロデューサー、ヴァン・ダイク・パークスも同年、レコーディングしたカリプソ曲「F.D.R. in Trinidad」も。パークスほかフリッツ・リッチモンド、ジム・ケルトナー、クリス・エスリッジら参加。
Ben Sidran『I Lead a Life』
"Dr.Jazz"ことベン・シドランのセカンド・アルバム。フィル・アップチャーチ(B)、クライド・スタッブルフィールド(Ds)、スティーヴ・ミラー・バンド時代の仲間カーリー・クック(G)、ニック・デカロ(弦アレンジ)参加。シドランがプロデュース、デュエットもしたクレモンティーヌによるカヴァー「Chances Are」のオリジナル収録。
Trade Martin『Let Me Touch You』
50年代末からイタロ・アメリカン系ヴォーカル・グループのプロデューサーとして活躍、自身のソロ・ヒットもあるシンガーソングライター、プロデューサー、トレイド・マーティンによるブルーアイド・シテイ・ソウルの名盤ファースト。海外での再発はなく、日本でのみ再発(ボートラ6曲)。山下達郎『サーカスタウン』のプロデューサー候補でもあった。
『Miss Abrams & The Strawberry Point 4th Grade Class』
カリフォルニア州マリン・カウンティの小さな町ミル・ヴァレーのストロベリー・ポイント小学校の生徒たちとリタ・エイブラムズ先生による歌と合唱。ラヴィン・スプーンフルを手がけたエリック・ジェイコブセンがプロデュース、ソッピーズ・キャメルのメンバーらも参加、ほのぼのグッド・タイム・ミュージックに自然と頰緩むチルドレン・ポップスの傑作アルバム。
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パイドパイパーハウス関連作品
『PIED PIPER HOUSE in TOWER RECORDS SHIBUYA』概要
場所:タワーレコード渋谷店6F特設コーナー(在庫約3,000枚)
〒150-0041 東京都渋谷区神南1-22-14
TEL:03-3496-3661(代表)
パイドパイパーハウス公式Twitter:https://twitter.com/PiedPiperHouse
MiKiKi 連載『パイドパイパーハウス 物語』
第1回:https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/11701
第2回:https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/11823
第3回:https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/11956
第4回:https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/12236
第5回:https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/12529
番外編 1:https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/27148
番外編 2:https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/27245?page=2
タグ : パイドパイパーハウス シティ・ポップ
掲載: 2022年07月14日 12:00