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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.219

ケニー・ドリュー『ケニー・ドリュー・トリオ』(1956)

KD

ケニー・ドリュー(p)
ポール・チェンバース(b)
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)

1956年9月20日、26日、ニューヨークにて録音

曲目:
01.キャラヴァン
02.降っても晴れても
03.ルビー、マイ・ディア
04.ウィアード・オー
05.テイキング・ア・チャンス・オン・ラヴ
06.星に願いを
07.ブルース・フォー・ニカ
08.イッツ・オンリー・ア・ペイパー・ムーン

【アルバム紹介】
1.名ピアニスト、ケニー・ドリュー、生誕95年、没後30年
2.多くの人の耳に馴染むセンスのいいハードバップ・スタイルのピアノ
3.当時のマイルス・デイヴィス・クインテットの最高峰メンバーが参加したトリオ編成

今回取り上げる渋いピアノ・トリオ名盤はケニー・ドリューの逸品になります。

2023年はケニー・ドリュー(1928年8月28日生まれ、1993年8月4日没)にとって、生誕95年、没後30年にあたります。
センスのいいハードバップ・スタイルともいえるその演奏は多くの人の耳に馴染みやすく、スイングするナンバーからバラードまで、存分に本領を発揮します。
60年代には活動の拠点をヨーロッパに移し、特にコペンハーゲン移住後に現地のレーベル、スティープルチェイスから70年代にリリースしたトリオ・アルバム『ダーク・ビューティ』は評価の高い一作で知られています。80年代には日本のレーベルからスタイリッシュなイラスト・ジャケットを冠した“オシャレ・ジャズ路線”のピアノ・トリオ・アルバムを次々とリリースし、幅広い層にアピールしました。

本作は1956年にレコーディングされたアメリカ在住時代の傑作で、ベースにポール・チェンバース、ドラムスにフィリー・ジョー・ジョーンズという当時のマイルス・デイヴィス・クインテットの最高峰メンバーが参加しています。また、ドリューを含むこのトリオの顔ぶれは、1957年録音のジョン・コルトレーンの名作『ブルー・トレイン』のリズム・セクションでもあります。
楽曲はデューク・エリントンの“キャラヴァン”、セロニアス・モンクの“ルビー、マイ・ディア”などを含むスタンダード・ナンバーが選曲され、自身のペンによるオリジナル“ブルース・フォー・ニカ”も収録されています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
躍動するスイング・ナンバー“キャラヴァン”。

1930年代にデューク・エリントンとその楽団のトロンボーン奏者ファン・ティゾールによって作曲されたナンバーで多くのジャズ・ミュージシャンにも取り上げられているエリントン名曲のひとつです。
ここではピアノ・トリオという最小限のフォーマットを最大限にフル稼働させて、この曲の持つ躍動感を表現しており、そのスイング感はポール・チェンバースとフィリー・ジョー・ジョーンズによるベース&ドラムスのコンビでなければ出せなかったでしょう。
イントロはドラムスから始まり、そこにベースが加わり、ピアノにテーマ・メロディーがあらわれます。やがて、高速なスイング・ビートに乗ってピアノ・ソロが流麗に展開されてゆきます。テーマに回帰した後、短くドラム・ソロが入りますが、その後一瞬テーマに戻りつつ、ブレイクをきめながら、ピアノ・ソロが連続し、エンディングに向かいます。
ケニー・ドリューのピアノはメロディー感覚を大切にしたプレイを基調としているため、ジャズ初心者の方にも非常に聴きやすく、そういう意味で本作はジャズ・ピアノの面白さを知る最適な一枚と言えそうです。2人の子供が写ったジャケットも印象に残ります。

国内盤SHM-CD

 

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2023年03月10日 10:00