タワー店長によるセレクト・アイテム〈マスターズチョイス〉追悼:坂本龍一
2023年4月28日公開
2023年3月28日、世界が悲しみに包まれた坂本龍一氏の訃報。タワーレコードもこれまで大変お世話になりました。そんな教授への追悼と感謝の意を表し、今回はマスターズチョイス特別編、各マスターが氏の膨大なワークスから今お勧めしたい1枚をピックアップ。様々な趣向のマスターによる様々な教授オススメ盤。心よりご冥福をお祈りすると共に、改めて氏の音楽の広さ、深さをお伝え出来れば幸いです。
【タワレコ限定Blu-ray】静謐な美の空間に居合わせる至福の2011年ツアー!
坂本龍一『Ryuichi Sakamoto | Trio Tour 2011 in Europe』
人気作『1996』(1996年)での<ピアノ、ヴァイオリン、チェロのピアノ三重奏編成>に新たなメンバー<アントニオ・カルロス・ジョビンの重要な共演者だったチェロのジャケス・モレレンバウムと、新加入のヴァイオリンのジュディ・カン>でトライした2011年ツアー。ピアノ・トリオ編成がさらに成熟の度を深め、坂本音楽のもつクラシカルな美の側面が生みだされる瞬間、その静謐な空間をたっぷりと味わう貴重映像。さらにヨーロッパ・ライヴの写真集「Photograpyh」、坂本龍一のインタビューやトリオに関する解説などを掲載した「Text」の3つのパッケージを三方背のケースに収納する、じっくりと味わいたいスペシャル・パッケージ!本作が同メンバーでの次作『THERE』(2012年/アルバム)『TRIO TOUR 2012 JAPAN』(2015年/映像)に発展していく点でも重要な映像作品!(新宿店:村越)
新宿店:村越 辰哉
- 店舗名
- 新宿店
- 店長名
- 村越 辰哉
- 趣味
- ロックンロール探究
- 好きなジャンル
- ロックンロール
- 愛聴盤
- ALEX CHILTON『Cliches』
- NRBQ『At Yankee Stadium』
- 山口富士夫『アトモスフィア』
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坂本龍一×山下達郎!78年、若き日のライヴ盤!
山下達郎『IT'S A POPPiN' TiME』
フュージョン/クロスオーバーの聖地でもあった六本木PIT INNに相応しい凄腕揃い!メンバーは達郎、坂本に加え村上ポンタ・岡沢章・松木恒秀・土岐英史。小編成かつ小箱ゆえ、観客との近さ、演者間の近さが生々しく伝わってくるスリル溢れる名ライヴ盤!ライヴ盤ながら本作のみに収録楽曲も9曲(オリジナル6曲・カヴァー3曲)と多数で、特にブレッド&バターのカヴァー「ピンク・シャドウ」のタイトでアッパーな解釈はハマりの名演奏。ブラックミュージック由来のバンドサウンドでの坂本のプレイが聴ける点が貴重で、全編を通して絶妙な匙加減のバッキングが美味なうえに、「ソリッド・スライダー」でのエレピソロ、「ラブ・スぺイス」のピアノソロなど随所で前に出て唸らせる!(新宿店:村越)
新宿店:村越 辰哉
- 店舗名
- 新宿店
- 店長名
- 村越 辰哉
- 趣味
- ロックンロール探究
- 好きなジャンル
- ロックンロール
- 愛聴盤
- ALEX CHILTON『Cliches』
- NRBQ『At Yankee Stadium』
- 山口富士夫『アトモスフィア』
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多くの発見、学びがある坂本龍一の音楽学校!
坂本龍一/上尾信也/伊東信宏/小室敬幸『commmons: schola vol.18 ピアノへの旅(コモンズ: スコラ)』
坂本龍一総合監修のもと、音楽を学術的に掘り下げることを目的とされた企画〈コモンズ・スコラ〉。2008年より17巻がエイベックスより刊行されたなか、改めてプレイリストで楽しむ書籍としてリニューアルリリースされた本作Vol.18。個人的には自身初の音楽レギュラー番組としてNHK教育テレビで放送された『schola(スコラ) 坂本龍一 音楽の学校』、当時としては珍しく、またNHKの音楽教養企画の走りとして我々音楽リスナーへの学びを喚起させる内容に新たな角度からの音楽への興味が増えた方も多いのではないでしょうか。坂本龍一氏の圧倒的な造詣の深さからの説得力溢れる授業を毎週楽しみにしていました。全巻必見の内容です!(仙台パルコ店:平林)
仙台パルコ店:平林 大樹
- 店舗名
- 仙台パルコ店
- 店長名
- 平林 大樹
- 趣味
- ラジオ鑑賞/とんかつ屋巡り
- 好きなジャンル
- SOUL
- 愛聴盤
- D'Angelo『VOODOO』
- Stevie Wonder『Talking Book』
- ザ・コレクターズ『YOUNG MAN ROCK』
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ピアニストとしての原点ともいえるシンプルかつ叙情的楽曲で構成された作品。
坂本龍一『BTTB -20th Anniversary Edition-(RM)』
1998年11月に発売された坂本龍一ピアノアルバムにして、全曲書下ろしとなるオリジナルアルバムの20周年記念リイシュー盤(2018年発売)。(15)「energy flow」、(17)「tong poo」らも追加収録され代表曲を堪能出来る。ピアノコンサートでの終盤、エンディングで演奏される事も多かったキャリアを代表する美しすぎる名曲(14)「aqua」など。感動を誘う楽曲が並ぶ。このアルバムが一番好きです。(池袋店:柴野)
池袋店:柴野直史
- 店舗名
- 池袋店
- 店長名
- 柴野直史
- 趣味
- 音楽鑑賞、ジョギング、読書
- 好きなジャンル
- ALL
- 愛聴盤
- 藤井風『HELP EVER HURT NEVER』
- millennium parade『The MILLENNIUM PARADE』
- J Dilla『Donuts』
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伝説のコラボ「い・け・な・い ルージュマジック/明・る・い・よ」はこちらで!
忌野清志郎『COMPILED EPLP ALL TIME SINGLE COLLECTION 』
1982年リリースされた忌野清志郎×坂本龍一の伝説のコラボ「い・け・な・い ルージュマジック/明・る・い・よ」の両曲が聴けるのはこの忌野清志郎さんのオールタイム・シングルス!坂本龍一という音楽家は作曲家として、ピアニストとして、クラシックもテクノもフュージョンも、どの音楽でも素晴らしい楽曲/功績を残されてきましたが、個人的にはこのポップス路線が大好きです。日本の音楽的に多大な影響を与えて下さった2人が不在になってしまったことはとても残念ですが、残された素晴らしい音楽は永遠に輝き続けると思いますし、自分自身後世に少しでも伝えられるように背筋を伸ばして働いていこうと改めて思いました。(町田店:石黒 大)
町田店:石黒 大貴
- 店舗名
- 町田店
- 店長名
- 石黒 大貴
- 趣味
- 音楽、三国志
- 好きなジャンル
- POPS、ROCK、SOUL、ジャニーズ
- 愛聴盤
- 山下達郎『COZY』
- NONA REEVES『フリー・ソウル』
- Rufus Wainwright『Poses』
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坂本龍一プロデュース、1980年発表の衝撃の1stアルバム!
フリクション『軋轢』
90年代、パンクロックを聴き漁っていた中で出会えた1枚。友人からの勧めに加え、デビューが自身の生まれ年という偶然もあり、必然としてCDショップで即買い。YMOで活動していた坂本龍一さんとの共同プロデュースだと知ったのは買ってからしばらくしてからですが、ロックでありながら、ダンサンブルな要素を持った新鋭的なアルバムだと感じた答えがそこにありました。東京ロッカーズのムーヴメントを形成した伝説のバンドの間違いない名盤です。(横浜ビブレ店:石黒)
横浜ビブレ店:石黒 亮
- 店舗名
- 横浜ビブレ店
- 店長名
- 石黒 亮
- 趣味
- サッカー(フットサル)
- 好きなジャンル
- J-PUNK/LOUD全般
- 愛聴盤
- Hi-STANDARD『MAKING THE ROAD』
- BRAHMAN『尽未来際(2CD/RM)』
- Linkin Park『Meteora』
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シンプルかつ荘厳なピアノ・トリオでの名曲の数々を是非堪能して頂きたい!!
坂本龍一『1996』
作曲家そしてピアニストとしての坂本龍一の才能を堪能するにはコレ!YMO、ソロ、映画音楽まで代表曲の数々をピアノ・トリオ(ピアノ、ヴァイオリン、チェロ)で演奏された本作。特に(6)「Merry Christmas Mr.Lawrence」や(8)「The Sheltering Sky」 などの映画音楽、そして本作での唯一オリジナル曲として収録の(5)「1919」、トリオならではの深みと重なり、数あるVerの中でも曲の秀逸さとピアノ旋律をじっくりと堪能できる本作、生涯聴き続けます!(札幌パルコ店:吉原)
札幌パルコ店:吉原 裕也
- 店舗名
- 札幌パルコ店
- 店長名
- 吉原 裕也
- 趣味
- サイクリング/登山
- 好きなジャンル
- SOUL/HIP HOP/CLUB
- 愛聴盤
- スティーヴ・ライヒ『ディファレント・トレインズ エレクトリック・カウンターポイント 』
- Kraftwerk『ツール・ド・フランス 』
- EVISBEATS『ムスヒ』
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きっとこの1枚が、自身が美しいと感じる音の原点
坂本龍一『BTTB -20th Anniversary Edition-(RM)』
ラストエンペラー公開の年に生まれた自分は、YMOの当時の熱狂も、戦場のメリークリスマスの感動も、リアルタイムでは体験できず。その為、坂本龍一に出会ったのは、たぶん小学校の給食の時間に流れていた‟コンピューターおばあちゃん”。その頃はもちろん教授が関わっていたなんて知る由もなく、ただ無邪気に替え歌を歌っていた記憶。その後、少し大きくなって初めて坂本龍一を認識したのは、テレビで見た‟energy flow”で、当時歌が入っていない曲が歌番組のチャートに入っている(しかも何週も)のは衝撃でした。その‟energy flow”も追加で収録された本作は、プリペアド・ピアノを使用した(11)(12)や、ASMR的な心地良さがある水中マイクで録音された(13)など実験的な中盤もあり、一枚を通しても、何度聴いても全く飽きさせず。(13)の曲中何か喋っているような気がして、聴き洩らすまいと音量を上げると、曲が切り替わりびっくりすることを繰り返す始末…。ちなみに一番好きなのは、エリック・サティの影響を感じさせる(1)。これからも‟長く”聴き続けられるであろう一枚は、まさに『芸術』だと思います。(広島店:加藤)
広島店:加藤信喜
- 店舗名
- 広島店
- 店長名
- 加藤信喜
- 趣味
- 散歩/スパイスカレー/島巡り
- 好きなジャンル
- 静かな曲が好きになりました
- 愛聴盤
- Chilly Gonzales『Ivory Tower』
- 鈴木良雄『Morning Picture』
- ELLEGARDEN『DON'T TRUST ANYONE BUT US』
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1曲のみの参加ながら圧倒的存在感、脳裏に焼き付く名リワーク
Oneohtrix Point Never『Love In The Time Of Lexapro』
'18年9月の来日公演の興奮冷めやらぬうちのリリースとなった今EP。前年OPNが参加した再構築アルバム『ASYNC - REMODELS』のいわゆる"バーター"で叶った教授のリワーク参加、(消去法で)セレクトしたのは『Age Of』のラストを飾った「Last Known Image of a Song」。楽曲終盤へ向けて全く異なる様相で展開するサウンドは呼吸を忘れるほどに鮮烈。OPNとの出会いを〈たぶんこいつは鍵盤を弾いたりするのは下手なんだろうな〉と語る教授、mikiki掲載のインタビューは本当に必見。(名古屋パルコ店:塚元)
名古屋パルコ店:塚元 雄太
- 店舗名
- 名古屋パルコ店
- 店長名
- 塚元 雄太
- 趣味
- キャンプ、温泉、自転車
- 好きなジャンル
- CLUB/TECHNO、主にWarp Records
- 愛聴盤
- Oneohtrix Point Never『Replica』
- Oneohtrix Point Never『R Plus Seven』
- Oneohtrix Point Never『Garden Of Delete』
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2007年、出会うべくして出会った2人によるコラボ作品
fennesz+sakamoto『cendre』
2001年リリース「Endless Summer」でフォークトロニカ~ラップトップフォーク・シーンの存在を決定付けたfenneszことクリスチャン・フェネス。全くバックグラウンドが違う2人がライブ共演を経て実現したコラボ作品。エレクトロニカシーンで活動するFenneszの放つノイズと電子音、エモーショナルな音の渦に、研ぎ澄まされた坂本龍一のピアノが重なる。大きなうねりを携えた音の潮流に決定的な一音を落としていくかようなサウンドは美しく繊細で且つ力強い作品となている。(福岡パルコ店:寺本)
福岡パルコ店:寺本 将巳
- 店舗名
- 福岡パルコ店
- 店長名
- 寺本 将巳
- 趣味
- 釣り/植物/ビール
- 好きなジャンル
- 60's~70's/HIPHOP/INDIES
- 愛聴盤
- The Kinks『Muswell Hillbillies』
- Nightmares On Wax『Shape The Future』
- Ryley Walker『Golden Sings That Have Been Sung』
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Alva Notoと坂本龍一初コラボ作品。究極のアンビエント大傑作
Alva Noto + Ryuichi Sakamoto『vrioon』
アルヴァ・ノトことカールステン・ニコライと坂本龍一のコラボは当時ある意味衝撃的だったが、2人の関係はなるべくしてなった運命、必然とも言える。2人はその後も多くの作品を出す事になったが個人的には当時の衝撃とミニマルな中にも豊かな表情を表現し、ピアノと電子音の究極のバランスと奏でられる旋律。 そして2人しか作り得ない、そして我々では永遠に解き明かす事の出来ない設計図に思いをはせ聴きたいこの作品を推薦。出来ればスピーカーで聴く事とをおススメします。(名古屋近鉄パッセ店:島崎)
名古屋近鉄パッセ店:島崎秀之
- 店舗名
- 名古屋近鉄パッセ店
- 店長名
- 島崎秀之
- 趣味
- サウナ巡り
- 好きなジャンル
- HIP HOP、R&B含むBLACK MUSIC
- 愛聴盤
- Common『A Beautiful Revolution Pt. 1』
- Big Sean『Detroit 2』
- Pete Rock『PETESTRUMENTALS 3』
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タグ : マスターズチョイス
掲載: 2023年04月28日 12:00