WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.230
ケニー・バレル『ケニー・バレル&ジョン・コルトレーン』(1963)
ケニー・バレル(g)
ジョン・コルトレーン(ts)
トミー・フラナガン(p)
ポール・チェンバース(b)
ジミー・コブ(ds)
1958年3月7日、ニュージャージーにて録音
曲目:
01.フレイト・トレーン
02.アイ・ネヴァー・ニュー
03.リレスト
04.ホワイ・ワズ・アイ・ボーン?
05.ビッグ・ポール
【アルバム紹介】
1.名ギタリスト、ケニー・バレルとテナー・サックスのジョン・コルトレーンとの共演盤
2.知性あふれるギターワーク、シングルノートはもちろんコードでのプレイも絶品
3.ギターとテナー・サックスがフロントというクインテットの編成、メンバーも充実
6月はギタリストの名盤を紹介してゆきます。今回は名ギタリスト、ケニー・バレルがテナー・サックスのジョン・コルトレーンと共演した逸品です。
ジャズ・ギタリストの中でもケニー・バレルは知性あふれるギターワークで知られており、シングルノートでのプレイに加えて、コードを響かせるハーモニーのアプローチも絶品です。
本作がレコーディングされた頃はケニー・バレルはニューヨークに拠点を移して活動が軌道にのっていた時期であり、一方ジョン・コルトレーンはマイルス・デイヴィスのバンドに在籍しており、メキメキを腕を上げていた時期でもありました。
ギターとテナー・サックスがフロントというクインテットの編成で、メンバーはピアニストが名盤請負人ことトミー・フラナガン(ケニー・バレルとは同郷デトロイトの出身)、ベースには名手ポール・チェンバース、そしてドラムスにはジミー・コブという布陣。
楽曲はトミー・フラナガンのオリジナル(01、05)、ケニー・バレルのオリジナル(03)、加えて2曲のスタンダード曲という構成になっています。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
スインギーな魅力が光る“フレイト・トレーン”。
ピアノのトミー・フラナガンのオリジナルですが、タイトルからわかる通り、ジョン・コルトレーンにちなんでつけられていることがわかります(もう1曲のオリジナル“ビッグ・ポール”はベースのポール・チェンバースを意識したタイトルになっています)。
テーマはスインギーなビートに乗ってギターとテナー・サックスのユニゾンで演奏されています。テーマ提示後はまずテナー・サックスのソロとなります。続いてギターのソロに移りますが、正確で粒のそろったピッキングのケニー・バレルのギターは太い音色が魅力です。やがてピアノ、ベースとソロが続き、ドラムスのソロが入った後、テナー・サックスとギターとのソロの回し合いとなり、テーマへ回帰し、エンディングをむかえます。
アルバム全体を通してスインギーで明朗なナンバーが中心となっていますが、4曲目“ホワイ・ワズ・アイ・ボーン?”だけは短いながらもギターとテナー・サックスのデュオで演奏される美しい解釈のバラード・ナンバーになっており、ケニー・バレルの伴奏の見事さを伺い知る名演といえそうです。
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タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2023年06月02日 10:00