WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.266
フレディ・レッド『シェイズ・オブ・レッド』(1961)
フレディ・レッド(p)
ジャッキー・マクリーン(as)
ティナ・ブルックス(ts)
ポール・チェンバース(b)
ルイス・ヘイズ(ds)
1960年8月13日、ニュージャージーにて録音
曲目(LP初発売時):
01.ザ・セスピアン
02.ブルース・ブルース・ブルース
03.シャドウズ
04.メラニー
05.スイフト
06.ジャスト・ア・バラッド・フォー・マイ・ベイビー
07.オレ
【アルバム紹介】
1.ピアニスト、フレディ・レッドのブルーノート・レーベルでのリーダー・アルバム
2.コンポーザーとしての才能を伝える全曲オリジナルのハードバップ・アルバム
3.フロント2管がサックスという変わった編成のクインテット
クインテット編成の名盤、今回はピアニスト、フレディ・レッドのブルーノート・レーベルでのリーダー・アルバムを取り上げます。
1928年、ニューヨークに生まれたフレディ・レッドは若い頃にピアノを始め、18歳の時にジャズに目覚めました。40年代後半頃からプロ活動に入り、50年代にはアート・ブレイキーと共演。1959年にオフ・ブロードウェイの音楽劇『コネクション』の音楽を担当し、1960年にブルーノート・レーベルに吹き込まれた、そのサウンドトラックともいえるアルバム『ザ・ミュージック・フロム・ザ・コネクション』はフレディ・レッドの代表作として知られています。
本作はその同年にレコーディングされ、翌年にリリースされた一作で、コンポーザーとしてのフレディ・レッドを余すところなく伝えるべく全曲オリジナルで構成されています。
参加メンバーはアルト・サックスにジャッキー・マクリーン、テナー・サックスにティナ・ブルックスという、フロントにサックスが二人の変わった編成のクインテットになっており、ベースには名手ポール・チェンバース、ドラムスにはルイス・ヘイズと、強力な顔ぶれがそろっています。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ハードバップな名演“ザ・セスピアン”。
本作はフレディ・レッドのコンポーザーとしての才能を存分に発揮した一作ですが、ハードパップ・テイストのセンスの良さはこの1曲目から十分伝わってきます。
冒頭のテーマ部分はゆっくりしたスロー・テンポで始まり、ずっとこんな調子の曲なのかと思いきや、テンポが倍になって再びテーマを繰り返した後、スイングするリズムの上をアルト・サックスのソロが展開されてゆきます。続いてテナー・サックスのソロに移り、そしてピアノ・ソロへと引き継がれます。やがて、テーマに回帰し、エンディングとなります。緩急の変化が印象に残るハードバップ・ナンバーといえます。
フレディ・レッドは本作の後、アメリカを離れヨーロッパを拠点に活動を続け、70年代になってアメリカに帰国後は西海岸に拠点を移し、それが1990年頃まで続きました。その後、2011年頃にはボルチモアに移り、2021年にニューヨークにて、92歳で亡くなっています。ピアニストとしては知る人ぞ知る部類の存在だったかもしれませんが、ブルーノート・レーベルの良質のハードバップ・アルバム等で語り継がれていくことでしょう。
国内盤SHM-CD
タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2024年03月08日 10:00