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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.267

ケニー・ドリュー『アンダーカレント』(1961)

KD

ケニー・ドリュー(p)
フレディ・ハバード(tp)
ハンク・モブレー(ts)
サム・ジョーンズ(b)
ルイス・ヘイズ(ds)

1960年12月11日、ニュージャージーにて録音

曲目:
01.アンダーカレント
02.ファンク・コシティ
03.ライオンズ・デン
04.ザ・ポッツ・オン
05.グルーヴィン・ザ・ブルース
06.バラッド

【アルバム紹介】
1.ピアニスト、ケニー・ドリューのブルーノート・レーベルでのリーダー・アルバム
2.メンバーは豪華、実力派の面々が参加したクインテット編成
3.すべて自身の作曲によるハードバップ色あふれるナンバー

クインテット編成の名盤、今回はピアニストのケニー・ドリューのブルーノート・レーベルでのリーダー・アルバムを取り上げます。

ケニー・ドリューはニューヨーク生まれのピアニストですが、本作をレコーディングしてまもなく、ヨーロッパに拠点を移して活動し、その後デンマークのコペンハーゲンに移住しました。70年代から現地のレーベル、スティープル・チェイスにリーダー作を残し、80年代には日本のベイステイト・レーベルからピアノ・トリオによる秀作を数々リリースし、その洗練されたエレガントなタッチのピアノで多くの日本のジャズ・ファンを魅了しました。

ブルーノート・レーベルでは本作は2作目のリーダー作となり、前作がピアノ・トリオ編成だったのに対し、こちらはクインテット編成となっており、移住後はピアノ・トリオでのレコ―ディングが多くなってゆくケニー・ドリューにとっては、貴重な編成での一枚といえます。
メンバーはかなり豪華で、トランペットにフレディ・ハバード、テナー・サックスにハンク・モブレー、ベースにサム・ジョーンズ、ドラムスにルイス・ヘイズと実力もバッチリな面々が揃っています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
高速なハードバップ名演“アンダーカレント”。

本作は全曲ケニー・ドリューによる作曲のナンバーになっており、ピアニストとしての魅力はもとより、コンポーザーとしての一面も存分に楽しめる内容になっています。
アルバム1曲目の高速なスイングビートによるハードバップ・ナンバーを聴いてみましょう。
イントロからドラム、ベースによる高速ビートが繰り出され、そこにピアノが躍動感あふれるフレーズでのっていくと、フロント2管によるテーマが提示されます。テーマは短く、すぐにエモーショナルなハンク・モブレーのテナー・サックスのソロへと移ってゆきます。次いで切れ味抜群のフレディ・ハバードのトランペットへとソロが渡され、そしてケニー・ドリューのアグレッシヴなピアノ・ソロにつながってゆきます。その後サックス、トランペットとドラムによるソロ回しとなり、テーマへ回帰、エンディングとなります。
この曲以外にも爽快なスイング・ナンバーあり、ブルースあり、バラードありと多彩な魅力にあふれた本作はブルーノートの隠れ名盤のひとつといえます。ケニー・ドリューはブルーノート・レーベルでは、自身のリーダー作以外に数々の名セッションに参加しており、中でもジョン・コルトレーンの名作『ブルー・トレイン』が良い例でしょう。

国内盤SHM-CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2024年03月15日 10:00