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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.273

ケニー・ドーハム『マタドール』(1963)

KD

ケニー・ドーハム(tp)
ジャッキー・マクリーン(as)
ボビー・ティモンズ(p)
テディ・スミス(b)
J.C.モーゼス(ds)

1962年4月15日、ニューヨークにて録音

曲目:
01.エル・マタドール
02.メラニー・パート1
メラニー・パート2
メラニー・パート3
03.スマイル
04.ビューティフル・ラヴ
05.プレリュード
06.ゼア・ゴーズ・マイ・ハート

【アルバム紹介】
1.トランぺッターのケニー・ドーハムがユナイテッド・アーティスツ~リバティに残したリーダー作
2.アルト・サックスのジャッキー・マクリーンと組んだ双頭クインテット
3.オリジナルあり、スタンダードありの充実した内容

クインテットの名盤は今回でラストになります。トランぺッターのケニー・ドーハムがユナイテッド・アーティスツ~リバティに残したリーダー・アルバムを取り上げます。

本作はケニー・ドーハムがアルト・サックスのジャッキー・マクリーンと組んだ双頭クインテットによるもので、ケニー・ドーハムのキャリアの中では、ブルーノート・レーベルに傑作『ウナ・マス』をレコーディングする前作にあたり、ジャッキー・マクリーンにとっては、同じくブルーノート・レーベルでの『レット・フリーダム・リング』のレコーディングの翌月のセッションになっています。双頭クインテットとしては、1961年11月のライヴ・パフォーマンスを収録したワールド・パシフィックでの『インタ・サムシン』と本作の2枚がその全記録となっています。

メンバーはピアノにボビー・ティモンズが参加している点が目を引きますが、ベースにテディ・スミス、ドラムスにJ.C.モーゼスを配し、個性的ないい演奏を展開しています。
楽曲は、1曲目がケニー・ドーハムのオリジナルで、2曲目は3パートからなる10分超えのジャッキー・マクリーンのオリジナル。3曲目はチャップリンの有名なナンバー、4曲目はスタンダード、5曲目がブラジルの作曲家ヴィラ・ロボスの1曲、そして6曲目がスタンダードという構成です。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
5拍子のナンバー“エル・マタドール”。

1曲目に収録されたケニー・ドーハムのオリジナルですが、タイトル・チューンともいえるナンバーになっており、5拍子のリズムに乗って繰り出される快演がグイグイを聴くものを引き込んでゆきます。
曲の導入はドラムスの軽快な5拍子のリズムで始まり、テーマはトランペットとアルト・サックスのユニゾンで提示される短いもので、すぐにケニー・ドーハムのトランペットによるソロに移ります。抑制のきいたトーンでクールなフレーズを次々と繰り出して進行します。一段落するとジャッキー・マクリーンのソロが始まり、至るところで独特のピッチで吹いていく様がマクリーンらしい印象を与えます。続いてボビー・ティモンズのピアノ・ソロとなり、5拍子のリズムを崩すことなくプレイを続けてゆきます。ソロが落ち着いたところで、トランペットとアルト・サックスの短いキメがあり、その後は5拍子のリフを繰り返しつつ、フェイド・アウトで曲は終わります。
ケニー・ドーハムもジャッキー・マクリーンもブルーノート・レーベルのアルバムで聴かせるようなハードバップ感はここではそれほどなく、どちらかというと表情豊かに聴かせている点が本作の売りのようにも感じられます。十分聴きごたえアリ、です。

国内盤SHM-CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2024年04月26日 10:00