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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.297

キース・ジャレット『ダーク・インターヴァル』(1988)

KJ

キース・ジャレット(p)

1987年4月11日、東京、サントリー・ホールにて録音

曲目:
01.オープニング
02.賛歌
03.アメリカーナ
04.エントランス
05.パラレルズ
06.ファイアー・ダンス
07.リチュアル・プレイヤー
08.レシタティーヴ

【アルバム紹介】
1.キース・ジャレット、東京サントリー・ホールでのライヴ
2.日本での通算100回目の公演
3.レコーディング・エンジニアは及川公生

今回ご紹介するのは、ピアニスト、キース・ジャレットが1987年に東京のサントリー・ホールで行ったソロ・ピアノのライヴ・パフォーマンスを収録した逸品です。

キース・ジャレットにとって日本での通算100回目となった公演の模様としても知られていますが、通常ソロでの即興演奏だとどうしても長尺になりがちなところ、ここでは、珍しく短くも印象的な楽曲群で魅了しています。
またこのコンサートが行われた1987年4月の時点では、サントリー・ホールはその前年の10月に開館したばかりの新しいコンサート・ホールであり、東京で初めて誕生した本格的なクラシック音楽のホールとして多くの音楽ファンから注目を浴びていました。

この魅力的なホールでの演奏をキース・ジャレットは、その響きとともに存分に楽しんでいる様子が本作からは伝わってきます。
録音エンジニアをつとめたのは及川公生で、プロデューサーであるECMレーベルのマンフレート・アイヒャーから出る細かい、しかし奥深いサウンドへの指示によって、レーベルが持つ独特の音像が作り上げられ、素晴らしいソロ・ピアノ作品に仕上がっています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
美しく温和な響きとともに伝わる“アメリカーナ”。

本作を聴くにあたって、1曲選ぶのは非常に難しいです。なぜなら、各ピースがまるで組曲のように見事な構築を成して出来上がっているからです。
1曲目の“オープニング”での繊細な響きから始まって、徐々に大きなうねりを伴っていく演奏も圧巻ですが、終始、美しい温和な響きで紡ぎ出されるこの“アメリカーナ”は7分ほどの楽曲ですが、音に寄り添うようにして聴いていると、自然と心が安らいでいくような、そんな1曲です。ちょっと最近バタバタして疲れ気味かな~などと思っている方にさりげなく聴いてほしいです。
数あるキース・ジャレットのソロ・ピアノ・アルバムとしては、隠れた逸品かもしれませんが、ホールの持つ豊かな響きとともに、キース・ジャレットのピアノの美しい音色が際立ち、ドラマティックに展開してゆく様は聴きごたえ十分です。

国内盤UHQCD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2024年10月11日 10:00