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第87回 ─ Qomolangma Tomato @タワーレコード渋谷店 2008年5月21日(水)

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2008/05/29   18:00
更新
2008/05/29   18:47
テキスト
文/土田 真弓

4月に発表したばかりのセカンド・アルバム『Limelight Blue on the Q.T.』を引っ提げ、現在はリリース・ツアー〈逃げろ、逃げるな〉を敢行中のQomolangma Tomatoが、タワーレコード渋谷店のインストア・ライヴに登場! 先日お伝えした楽屋裏レポに続いて、4人のエネルギッシュなステージングを詳細にレポートいたします!!

  SEがスミスの“Reel Around The Fountain”に切り替わる。〈おっ!〉と思った途端に暗転。モリッシーが訥々と紡ぐメランコリックなメロディーを、ギターのハウリング音が徐々に掻き消していく。

「お久しぶりです。Qomolangma Tomato、始めます」。

  重量級のリズムがフロアを揺らしに掛かるなか、ギターが容赦なく挑戦的なビートを畳み掛ける。初っ端から尋常ではないテンションで突っ走る“ネタのないパブリック”に始まり、セットは間髪入れずに“追い詰められて”へ。彼らとしては緩急が少な目の楽曲だが、とにかくベースが腰にくる。ギター・小倉のコーラスも新鮮だ。

  「しばらく西の方にツアーに行っていたので、久しぶりに東京でやります。今日はよろしくお願いします。じゃあセカンド・アルバムから1曲。“FIVE SENSES-FIVE MINUTES”」。

 4月11日、下北沢SHELTERで行われた初のワンマン・ライヴを皮切りに、順調に滑り出した〈逃げろ、逃げるな〉ツアー。2月の終わりにセカンド・アルバム『Limelight Blue on the Q.T.』のインタヴューでヴォーカルの石井と会った際、彼はこのツアー・タイトルについて、〈逃げろ〉は自らの等身大の闇を吐き出した今回の作品を、〈逃げるな〉は自らを取り巻く柵と対峙した前作を指しているのだ、と明かしてくれた。「〈正反対のことを言ってるけど、どうするの?〉って感じですね。でもその先は、自分のなかでもう見えてます」――そう言って見せた笑顔が印象的だった。

 その時点で〈見えていたもの〉を、彼らは観客の前でどう体現しようとしているのか?