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第111回 ─ CLASH49 feat. KEN ISHII 15TH ANNIVERSARY SPECIAL @ 新木場 ageHa 2009年11月14日(土)

第111回 ─ CLASH49 feat. KEN ISHII 15TH ANNIVERSARY SPECIAL @ 新木場 ageHa 2009年11月14日(土)(2)

連載
ライヴ&イベントレポ 
公開
2009/11/18   18:00
更新
2009/11/18   18:12
テキスト
文/北野 創

  で、彼とバトンタッチで登場したのは本日のメイン・アクト、ケンイシイ! 場内が歓声で沸くなか、我らがテクノ・ゴッドはDJブースの前面にセットされたライヴ用の機材に向かい、まずはタコ・ジャケも印象的な2006年作のアルバム『SUNRISER』でもオープニングを飾った表題曲でライヴをスタート。美しくも煌びやかなシンセ音がサンシャワーの如く降り注ぎ、その浄化作用満点の音の波に身も心も預けて溺れていると、そのままデトロイティッシュな名曲“Iceblink(Ken Ishii's Beat The Strings Attack Mix)”に突入する。


  この日のケンイシイは久々のライヴということもあってか終始異常なまでのハイテンション。スピーディーな機材捌きで次々と楽曲に彩りを加えていき、マシーンのように正確無比な動きも非常にクールで印象的だった。続いてライヴの定番曲でもある激アゲ系ハード・トラック“Butter Bump Blaster”を投入すると場内はさらにヒートアップ! 徐々にBPMを上げていく容赦ない攻撃で本日最大級のビッグ・ウェイヴを現出させると、最後はお馴染み“Extra”でさらなる上昇気流を生み、わずか30分足らずながらも圧巻のパフォーマンスでオーディエンスを魅了して行ったのだった……。で、続けざまにDJブースへと移動すると、まずはクラシック調の静謐なトラックでブレイクを置いて、その後はいつも通りの男気溢れる硬質なミニマル・セットを披露。途中から、後方のステージでセクシーなお姉さま方によるポール・ダンスが始まったので、思わずそちらに目移りしてしまったりもしたが、とにかく今後も15周年どころか20年30年と第一線で走り続けるであろうことを確信させる、気迫と気力に満ちたプレイを見せてくれた。

  そしてパーティーのホストは、デトロイト・テクノのオリジネイターのひとりにして伝説の男、デリック・メイへと移る。このところ〈渚音楽祭〉などで頻繁に来日している彼だが、やはりレジェンドとしての風格は一切衰えることなく、この日もメロディアスかつスペーシーな選曲でフロアを歓喜の渦へと先導。リズム・イズ・リズム“Strings Of Life”などの、みずから放った数多あるテクノ・クラシックが飛び出すことはなかったものの、彼の存在そのものが発する強力な磁場のようなものが、最高の夜には欠かせない濃密なヴァイブスをその場に生み出していたように思う。当然、最後は観客からのアンコールが鳴り止まず、なんと2度もブースに戻ってきてプレイを続行。しかもラストは永遠のデトロイト・アンセムであるアズテック・ミスティック“Knights Of The Jaguar”のエディット版を披露するという特大サーヴィスもあり、トータル6時間以上にも及んだ狂乱のパーティーを見事に締め括ってくれた。

▼本文中に登場したアーティストの作品を紹介

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