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第45回――テディよ永遠に

テディの歌声を受け継ぐストロングなシンガーたち

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2010/06/05   23:30
更新
2010/06/05   23:32
ソース
bounce 320号 (2010年4月25日発行)
テキスト
文/林 剛

 

ソウル~R&Bシンガーたる者、野太く濃厚なヴォーカリストであれ!などという決まりはないが、テディのような力強く野性的なバリトン系のヴォーカルにソウルの粋を求めたシンガーは結構いる。特に80年代後半~90年代前半にはそのテの歌い手が続出し、例えばテディ一派の援護でデビューし、『Joy』の制作にも関わったマイルス・ジェイは、その出自も含めて直系のフォロワーとして話題になった。他にもブルー・ノーツと交流があったジーン・ライス、そのジーンをバックアップしたバイ・オール・ミーンズのジミー・ヴァーナー、テディに憧れていたオマー・チャンドラー、ゴスペルのビービー・ワイナンズなどはルックスも含めてテディ似だ。また、テディの曲をカヴァーし、そのスタイルを追い求めた者としては、“Close The Door”を歌ったモンテル・ジョーダンやジョニー・ギル、“Come Go With Me”を歌ったクリストファー・ウィリアムズがいる。父親を通してテディと繋がり、プロデュースも手掛けたジェラルド・レヴァートもフォロワーのひとりだった。近年ではテディ関連の曲をたびたびネタ使いしてテディの後継者たらんとするジャヒームがその最右翼か。一方、デビュー作でブルー・ノーツ曲をネタ使いし、新作『Love Is Love』で“Love T.K.O.”をカヴァーしていたラティーフは、声質こそ甘いテナーながら、歌に込めるエモーションやアドリブのセンスに、テディの門下生らしいプライドが滲み出ている。

 

▼文中に登場したアーティストの作品を紹介。

左から、バイ・オール・ミーンズの88年作『By All Means』(Island)、ビービー・ワイナンズの2000年作『Love & Freedom』(Motown)、モンテル・ジョーダンの95年作『This Is How We Do It』(Def Jam)、クリストファー・ウィリアムズの92年作『Changes』(Uptown/MCA)、ジェラルド・レヴァートの94年作『Groove On』(Eastwest)、ジャヒームのベスト盤『Classic Jaheim Vol.1』(Warner Bros.)、ラティーフの2010年作『Love Is Love』(Manhattan/LEXINGTON)

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