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Tower to the People[1] AOR & ROOTS ROCK

11月17日にリイシューされた12枚はこちら!!――(2)

連載
タワレコ良盤発掘隊
公開
2010/11/26   13:34
更新
2010/11/26   13:35
ソース
bounce 326号 (2010年10月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/鈴木智彦(副隊長)

 

BONNIE RAITT 『Bonnie Raitt』 Warner Bros./ワーナー(1971)

リリースからすでに40年の時を経ているにもかかわらず、普遍的な輝きを放ち続けるボニー・レイットのファースト・アルバム。ここに充満した〈音楽で自由な表現を勝ち取ろう!〉という自由を切望する雰囲気は、いま聴いてもまったく色褪せることはない本作の魅力だろう。ブルース~ニューオーリンズ~ロックの垣根を取っ払った自由奔放なサウンド、音楽を奏でる歓びが全開になった歌声、粗削りだけど閃きに満ちたギター・プレイ、すべてが鮮烈で感動的!

BONNIE RAITT 『Streetlights』 Warner Bros./ワーナー(1974)

〈うら若き乙女が凄まじいブルース・ギターを弾く!〉というそれまでのパブリック・イメージを覆し、みずからは楽器を弾かずにヴォーカリストに徹して、胸に染み込んでくるような歌声をたっぷりと披露してみせた4作目である。まっすぐにエモーションを解放した化粧っ気のないすっぴんの歌声を、スティーヴ・ガッドやデヴィッド・スピノザ、ジョン・トロペイら一流のスタジオ・プレイヤーが絶妙にサポートした傑作ヴォーカル・アルバムだ。

BONNIE RAITT 『The Glow』 Warner Bros./ワーナー(1979)

抜群に息の合ったダニー・クーチ&ワディ・ワクテルのリズム・ギターとリック・マロッタのパワフルなドラムが中心となって生み出された、ドッシリ重みがあってズッシリ腰にくるファンキーなサウンド。そんな最高のリズム・セクションをバックに従えながら、ヴォーカリストとして格段に成長を遂げ、表現力に奥行きと幅の両方を増したボニーの歌声が冴え渡る7枚目のアルバムがこちら。アップテンポの曲とスロウ・ナンバー、いずれも秀逸!

DAVID LINDLEY 『El Rayo-X』 Asylum/ワーナー(1981)

ジャクソン・ブラウンの片腕的なギタリストとして名を馳せていたデヴィッド・リンドレーが、ソロ・アーティストとしての異能ぶりを初めて発揮してみせたファースト・アルバム。ギターやバンジョー、マンドリンなどなど、弦楽器ならあらゆる種類を弾きこなすというマルチ・プレイヤーぶりを存分に発揮しながら、テックス・メックスにブルース、カントリー、さらにはいわゆるワールド・ミュージック的な要素も自由奔放に採り入れ、カテゴリーの垣根を軽々と超越!

GEOFF & MARIA MULDAUR 『Sweet Potatoes』 Reprise/ワーナー(1972)

ジム・クウェスキンのジャグ・バンドでの音楽修行時代を経てグループから独立、結婚してウッドストックに居を移したジェフ&マリア・マルダー。本作はそこで出会ったエイモス・ギャレットやポール・バタフィールドら音楽仲間との共同作業~セッションで作り上げられた人工的なグッドタイム・ミュージックだ。アーリー・ジャズからブルース、ゴスペル、トラディショナルなどのノスタルジックな素材をコンテンポラリーなロック感覚で蘇生してみせる手際が鮮やか!

MARIA MULDAUR 『Love, Peace And Soul』 Reprise/ワーナー(1976)

イーヴン・ダズン・ジャグ・バンド~ジム・クウェスキン・ジャグ・バンド~夫ジェフとのデュオ~そしてソロ独立後……と、一貫してノスタルジックなグッドタイム・ミュージックのモダンな再生を試み続けてきたマリア・マルダー。こちらは総勢50名を軽く超えるゲスト・ミュージシャン/ヴォーカリストを招いて繰り広げた、グッドタイム・ミュージック・リヴァイヴァル路線の総決算的なセッション作で、ファースト・アルバムと並ぶ最高傑作!との呼び声も高い一枚だ。

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