ついに登場したソロ作は、ヒップホップ愛に溢れたオリジナルなサウンドがギッシリ!!
ブリンク182のドラマーであり、ヒップホップ~アーバン系のファンにはポール・ウォールらとのユニット=エクスペンシヴ・テイストでの活動や、数々のリミックス・ワークでも知られているトラヴィス・バーカーのファースト・ソロ・アルバム『Give The Drummer Some』は、ここ数年、タイトな関係が続いているそのヒップホップ・シーンとリンク。ブレイクビーツの如く、自身のソリッドなドラム・プレイを素材に作り上げた高純度のリアル・ヒップホップが詰まっていて、リル・ウェイン、リック・ロス、スウィズ・ビーツ、ゲームと各地域を代表するトップ・アクトが各々のカラーをキッチリ出したリード曲“Can A Drummer Get Some”からして強力だ。
また、幅広い交友録のなかからこの手のスタイルとの相性を考慮したようなゲストが名を連ねており、そのマッチアップ相手に合わせたヒップホップ/ロック濃度の微調整具合とバランス感覚も見事。アンダーグラウンド・シーンのカリスマであるテック・ナインやスローターハウスらまで招聘していることや、ウルトラマグネティックMC'sのクラシックを表題に冠するという絶妙なセンスからも窺えるように、単なるトレンドや話題性としてのコラボ企画とはワケが違う、トラヴィスのヒップホップ愛と〈わかってらっしゃる〉感が強く出た作品となっている。パスヘッドの手掛けたジャケットも最高すぎるぜ!
▼トラヴィス・バーカーが在籍するバンドの作品を紹介。
左から、ブリンク182の2003年作『Blink-182』(Geffen)、トランスプランツの2005年作『Haunted Cities』(Atlantic)、+44の2006年作『When Your Heart Stops Beating』(Interscope)