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SALUTE!

連載
NEW OPUSコラム
公開
2011/07/06   18:08
更新
2011/07/06   20:42
ソース
bounce 332号(2011年5月25日発行)
テキスト
文/升本 徹


ディップセット完全復活への前ぶれ? キャムロン &ヴァドーとジム・ジョーンズの新作が登場!!



数年間続いていたゴタゴタもスカッシュ。キャムロンにジム・ジョーンズ、ジュエルズ・サンタナの主要メンツが揃い踏みし、クルー馴染みのトラックメイカー、アラブ・ミュージックが手掛けた久々となる新曲“Salute”での復活劇が大きな話題となったディップセット。メジャーのインタースコープから待望のニュー・アルバム『Diplomatic Immunity 3』のリリースもアナウンスされ、いよいよ完全復活までカウントダウンといったところだが、クルーと並行した個々の動きも実にアグレッシヴで目が離せない。

まず、リーダー格のキャムロンは、ディップセットとは別軸で活動を共にしている注目株ヴァドーとの師弟タッグで新作『Gunz N' Butta』をリリース。前述“Salute”のリミックスでフックアップされていることからも、その期待度の高さが窺えるヴァドーだが、ハイハットが鳴り響くドラマティックなアラブ・ミュージック作のビートにブッ飛ばされるオープナー“Killa”から、〈キラ・キャム〉の異名を取るキャムロンを喰う勢いで猛スピットを披露。ほとんどゲストなしの状況下、猛進するヴァドーと緩急を巧みに付けたキャムがガチガチに対峙する様が痛快で、トガりまくったトラック群も粒揃い。イケイケなヴァドーの勢いをガッチリ反映させたストリート直送の内容だ。キラッ!

一方、ジム・ジョーンズ2年ぶりのソロ新作『Capo』は、チンク・サンタナやセン・シティらバードギャング周辺の面々だけでなく、ゲームやワイクリフ・ジョン、ボルティモアのアーロン・ラクレイトなど、幅広いゲスト/プロデューサーを招いた懐深く多彩な内容。メランコリックなレルの歌声をフィーチャーした“Let Me Fly”やアシャンティが艶やかに絡む“Changing The Locks”あたりのキャッチーさを兼ね備えた楽曲との相性が抜群だ。また、レイクォンやプロディジー、ロイド・バンクスといった巧者とのストイックなコラボも印象深く、クルーの復活作へと繋がるであろうキャムロン参加の“Getting To The Money”なんて曲もあり。



▼文中に登場した作品。
左から、キャムロン&ヴァドーのタッグ・アルバム『Gunz N' Butta』(Diplomatic Man/eOne)、ジム・ジョーンズのニュー・アルバム『Capo』(Diplomatic Man/eOne)

 

▼関連盤を一部紹介。
左から、キャムロン&U.N.の2010年作『Heat In Here Vol. 1』(Diplomatic Man/Asylum)、ヴァドーの2010年作『Slime Flu』(Diplomatic Man/eOne)、ジム・ジョーンズ&ウェブスターの2009年作『The Rooftop』(eOne)