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PREFUSE 73

スコット・ヘレンを巡る音楽の果実……でページが埋まってしまう!――(1)

連載
360°
公開
2011/07/28   14:30
更新
2011/07/28   14:32
ソース
bounce 331号 (2011年4月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/入江亮平、佐藤大作、出嶌孝次

 

DELAROSA AND ASORA 『Agony Part 1』 Schematic(2000)

近年のファンには知られていなそうなデラロサ&アソラは、ヘレンが最初に正規作品を発表したプロジェクト。入手困難な初作『Sleep Method Suite』(97年)に続くこの2作目は、人懐っこいグリッチ・ホップを夢心地で響かせる、その当時のマイアミ・シーンならではの電子秘境に。*出嶌

SAVATH & SAVALAS 『Folk Songs For Trains, Trees And Honey』 Hefty(2000)

トータスやタウン・アンド・カントリー周辺のいわゆるシカゴ音響派リスナーから溺愛された、サヴァス&サヴァラス名義での処女作。彼がルーツ探求として向き合うサウダージとメランコリーの体現は素朴な電子音と生音で紡がれた名曲“Journey's Homes”へと昇華。*入江

PREFUSE 73 『Vocal Studies + Uprock Narratives』 Warp(2001)

彼の名を一躍有名にした名人芸、ヴォーカル・チョップを堪能できる本名義での伝説の初作。〈声〉を切り刻んで〈音〉として捉え、そのバラバラの組み合わせを腹にズシンとくるビートの上で矢継ぎ早にコラージュし、何とも痛快なアブストラクト・ヒップホップを成立させている。*佐藤

PREFUSE 73 『One Word Extinguisher』 Warp(2003)

ヴォーカル・チョップの代名詞で語られた初作に引き続き、エディットがもたらすグルーヴで自身のBボーイイズムを模索した本作は、図らずもより自身のエレクトロニカ・クラスタを増やすことに。同じく時代のメロウネスを背負わされたトミー・ゲレロの参加も話題となった。*入江

SAVATH & SAVALAS 『Apropa't』 Warp(2004)

ドロッピン・サウダージなる試みはより生楽器や生歌と未エディットの方向へ彷徨いながら、脈打つドラムの太さはそのウワモノへの反動か。いや、でもこの白濁していくサイケデリック濃度の高さは、本プロジェクトの沸点とも言えるくらいむせかえってしまいますのよ。 *入江

SAVATH & SAVALAS 『Manana』 Warp(2004)

『Apropa't』の愛すべき姉妹EP。〈歌ありき〉の美麗サウンドに、プレフューズ73的なエディットやチョップ、ビート感覚を取り込んでいるものの、決して耳に痛くないまろやかな響きの曲が並ぶ。何度もループして再生してしまう、甘美な夜のBGMに。*佐藤

PREFUSE 73 『Surrounded By Silence』 Warp(2005)

ウータン勢など多くのゲストを迎えた意欲作で、従来作と比べれば輪郭のくっきりした〈バック・トラック〉的な作風を見せているのが特徴。いわゆるジャジー・ヒップホップ的なインストも心地良いし、盟友タイヨンダイやその後もたびたび絡むデヘーザ姉妹、カズ・マキノらとの邂逅も重要。*出嶌

PIANO OVERLORD 『The Singles Collection 03-05』 Money Studies(2005)

多名義/多作でその境界をどう受け取っていいか聴き手を煙に巻きはじめた時期に、フェンダーローズとドラムスを初期の清々しいグルーヴで再生した12インチをまとめた編集盤。たおやかかつドープなジャズ感と簡素なブレイクビーツ集には、駆け出しのディプロの名も。*入江

 

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