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荒野を往くアナログフィッシュ

連載
Discographic
公開
2011/08/10   18:00
ソース
bounce 335号 (2011年8月25日発行)
テキスト
文/土田真弓

 

 

アナログフィッシュ

 

佐々木健太郎(ベース)と下岡晃(ギター)が作詞/作曲を手掛け、自身のペンによる楽曲のメイン・ヴォーカルを各々が取る(加えてドラムスの斉藤州一郎もコーラスに参加)。そんな重声構造のカラフルなロック・サウンドで着実にキャリアを積み重ねてきたアナログフィッシュ。2008年に斉藤が病気療養のため脱退するも翌年に電撃復帰し、2010年には現メンバーでの再出発を開放的に歌い上げたアルバム『Life Goes On』を発表している。歌詞の面では熱血かつ直情的な佐々木、ひねくれたユーモアを交える下岡という図式だったが、2011年に入って下岡が覚醒。先行EPを経た新作『荒野 / On the Wild Side』では、日常と政治、個人と社会を同一線上に置いたプロテスト・ソングを提示している。但し、メッセージ性の強い言葉をループやエレクトロニックな要素を多用したリズミックなグルーヴに乗せている点が彼ら流だ。

 

▼アナログフィッシュの近作を紹介。

左から、2010年作『Life Goes On』、2011年のEP『失う用意はある?それともほうっておく勇気はあるのかい』(共にfelicity)