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ブレインフィーダー

ブレインフィーダーの精鋭たち

連載
360°
公開
2011/08/18   14:56
更新
2011/08/18   16:57
ソース
bounce 335号 (2011年8月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/入江亮平、出嶌孝次


FLYING LOTUS 『LA CD』 Warp/BEAT(2009)

前年の『Los Angeles』の収録曲を世界各地の才能に委ねた〈LA EP〉シリーズ、その3枚の音源をCDにまとめた便利なリミックス集。盟友のサムアイアムやラ スGがビート宇宙の拡張に取り組んでいるのをはじめ、この後ブレインフィーダーで契約するマーティンやマシューデヴィッドらも抜擢されている。レーベルの 新人ハントも兼ねていたのか? *出嶌

 

LORN 『Nothing Else』 Brainfeeder(2010)

LA人脈を中心に構成されるこのレーベルが公式作品の第1弾として送り込んできたのは、意外にもイリノイ出身の無名ビートメイカーだった。あっちの ローンとは対照的に、クラークがマスタリングを施したマッドでハードコアなグルーヴの佇まいは、フライローのレーベル・オーナーとしての手腕と共に感嘆を 持って迎えられることに。*入江

 

SAMIYAM 『Sam Baker's Album』 Brainfeeder(2011)

ロータスとのフライアムサム(はどうなった?)やハイパーダブでのシングルも記憶されるミシガン出身のビート魔術師。配信リリースした『Rap Beats Vol. 1』に続くこの初の公式アルバムは、独特のダビーなタイム感でまったり蠢くビート風景の真骨頂が味わえる、素晴らしい傑作。ファロア・モンチへのトラック 提供も驚きだった。

 

AUSTIN PERALTA 『Endless Planets』 Brainfeeder(2011)

若くしてチック・コリアからエリカ・バドゥ、シネマティック・オーケストラまで錚々たるセッション歴を持つ早熟なジャズ・ピアニスト。コルトレーン と縁深いフライローと契約しての本作は奇を衒わずジャズそのものの魅力を携えた作品だ。彼の父親は西海岸の伝説的なスケーター……なんて逸話が何ともブレ インフィーダー的。*入江

 

MATTHEWDAVID 『Outmind』 『Outmind』 Brainfeeder(2011)

同僚のティーブスと共にレーベルが描く理想郷を見事に体現し、LAビート・シーンにおいて早くからフライローの秘蔵っ子としてチェックされてきた逸 材の、満を持しての初作。鼻を衝く透明度高めの美しいエレクトロニクスと、濁った太いビートの乖離が起こす強烈なトリップには帰りの切符がございませんの で、搭乗の際はご注意を。*入江

 

TEEBS 『Ardour』 Brainfeeder(2010)

もともと絵を描いていたスケーターがそのカンヴァスを音楽に移し……とLAストリート・カルチャーを地で行く才人。ボーズ・オブ・カナダからチル ウェイヴ諸作まで、まあ、いろいろと例えられていますが、とにもかくにも聴き手を選ばないストレートな気持ち良さが、レーベル・カタログのなかでも1、2 を争う人気盤である所以でしょう。*入江