大変身を遂げた『ソウル・フラワー』を携えて来日!
ロビン・マッケルはマイアミ大学とバークリーでジャズを学び、04年のモンク・ヴォーカル・ジャズ・コンペで入賞。06年のデビュー作『イントロデューシング』はビルボード誌のジャズ・チャートで第6位まで上がるなど、本格的なジャズ歌手として、「サラ・ヴォーンの再来」とまで言われてきた。
だが、ロビン・マッケル&ザ・フライトーンズの新作『ソウル・フラワー』で、彼女は大変身を遂げている。アルバムの冒頭に聞こえてくるのはダニー・ハサウェイばりのウーリッツァーのエレピで、いきなり70年代のニュー・ソウル風の曲なのだから。〈フェアリー・エンディング〉はアーチ・ベル&ザ・ドレルズの〈アイ・ジャスト・キャント・ストップ・ダンシング〉を下敷きにしたようなノーザン・ソウルだ。全編に60~70年代のR&B/ソウルの美味しい要素がたっぷり散りばめられ、ロビンは多彩な曲調を表情豊かに歌いこなしている。
ただ、こういうアルバムに対して、エイミー・ワインハウス以降のレトロなソウルのリヴァイヴァルに便乗したと誤解する人もいそうだ。《ウォーク・オン・バイ》や《トゥ・ラヴ・サムバディ》(リー・フィールズとのデュエットが聞かせる)といった60年代からのカヴァーもあるし、バンド名義にしたところに、シャロン・ジョーンズ&ザ・ダップ・キングズを連想する人もいるだろう。
しかし、ニーナ・シモンやグラディス・ナイトを聴いて育った彼女は本作を「ずっと作りたいと夢見てきたレコード」と呼び、「スタイルを変えたとは思ってない。この展開は自然なもので、疑いなく最良の自分に向かって進んでいるわ。考え抜いた計画ではなくって、本能や感情に従った」と説明する。「そういった音楽があまりに大好きだから、自分が〈何々のスタイルで〉やっているなんて考えもしなかった」というほど、これらのサウンドは彼女の一部となっており、ロビンにとっては、レトロではなく、時を超えたタイムレスな音楽なのである。
LIVE INFORMATION
『ロビン・マッケル&ザ・フライトーンズ』
会場:コットンクラブ(東京・丸の内)
http://www.cottonclubjapan.co.jp/
9/20(木)21(金)[1st. show] 18:30開演/[2nd.show] 21:00開演
9/22(土)[1st. show] 17:00開演/[2nd.show] 20:00開演
出演:Robin McKelle (vo) Ben Stivers(key) Al Street (g)Derek Nievergelt (b)Adrian Harpham (ds)