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特別編――いま〈ジェント〉を聴かないでどうするんだ!?

PERIPHERY

連載
OSHIETAL
公開
2012/10/18   16:45
更新
2012/10/18   16:45
ソース
bounce 348号(2012年9月25日発行)
テキスト
文/山口コージー


まず最初にチェックすべきジェンターは、ジェントをムーヴメント化したコイツらだろう!



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ジェントを語るうえで欠かせない人物、それがミーシャ・マンソー(28歳)だ。本格的な音楽活動を開始する以前から〈Bulb〉というハンドルネームを使用し、メシュガーやドリーム・シアターのコミュニティー・サイトなどに自作の音源をアップしていたというこの男。何を隠そう、ジェントという呼称自体も彼がネットを通じて広めたと言われている。

そんなミーシャが仲間を集めて2005年にメリーランドで結成したのが、ここで紹介するペリフェリーに他ならない。2010年にロードランナーから『Periphery』でアルバム・デビューを飾るや、すぐさま憧れのドリーム・シアターからツアー・サポートに指名される。それをきっかけに、彼らの高い演奏能力と難解な曲展開が世界中のメタラーから注目されはじめ、一気にジェント・ブームの中心へと躍り出るのであった。

そして、このたび待望のセカンド・アルバム『Periphery II』が到着したのである。トリプル・ギター編成による重たすぎる&厚すぎるウワ音と、不規則&エクストリームなリズム・ワークはそのままに、今回は〈静〉と〈動〉を巧みに操作。バンドとしての統制が非常によく取れていて、結果、ただ複雑なだけじゃない、ドラマティックで知性溢れるサウンドを作り上げることに成功したのだ。これには、ガスリー・ゴーヴァン(元エイジア)やジョン・ぺトルーシ(ドリーム・シアター)のゲスト参加というトピックも霞むほど!

ちなみに、ペリフェリーはあまりライヴを行わないことでも有名。というのも、バンドの頭脳であるミーシャはプロデューサーとしての顔も持ち、そっちの仕事が大忙し……という以前に、そもそもこのバンドはライヴよりもスタジオ作業に力を入れているらしい(そんな職人気質もカッコイイではないか!)。で、年内にはもう1枚アルバムをリリースする予定なんだとか。そんなわけで、まだまだ飛躍しそうな予感がプンプンするペリフェリーを聴かずして、ジェントを、いや、現行メタル・シーンをカタルべからず!



▼関連盤を紹介。

左から、ペリフェリーの2011年作『Periphery』(Roadrunner)、エイジアの2004年作『Silent Nation』(Insideout)、ドリーム・シアターの2011年作『A Dramatic Turn Of Events』(Roadrunner)