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第7回:まっぴ~さん編

あまり目立ち過ぎないように、紛れて見ていたい

連載
アイドルのいる暮らし
公開
2012/10/26   20:30
更新
2012/10/26   20:30
テキスト
文/岡田康宏(サポティスタ)


あまり目立ち過ぎないように、紛れて見ていたい



自分はあまりいろいろなところにアンテナを伸ばしているというタイプではなくて、イベントさえあればひとつのところに行き続けるタイプですね。時東さんが歌とかあまりやらなくなっちゃった頃に、一緒に見ていた友達が結構キャナ(キャナァーリ倶楽部)の方に行くようになっていたので、自分も行くようになりました。ちょうどおがまな(小川真奈)がソロで“スッピンロック”を出した2008年くらいのことです。最初は知り合いがいるからたまに顔を出すという感じだったんですが、時東の方のイベントが減ってきたのもあって、おがまなのイベントに行くことが多くなっていきました。

その頃、CDはイベント1回で10枚くらい買っていたので、10回行けば100枚くらい。最初は数枚だったんですけど、その場の雰囲気で追加したりしていたら、徐々に増えてきて。まわりがぐるぐる回っていると、自分も話し足りないような気になってくるんですよね。1回増やしちゃって、慣れちゃうとそれが毎回になって、最終的には「とりあえずちょっと多めに買っておこうか」って感じになって、最後までループしている数人の中にいる感じになりました。

一度好きになったらずっとそのまま。ほかのところはあまり興味がないんですよ。対バンとかで他のグループが出ていてもボーッとみている感じで、物販とかも行かないですし。いろいろ回したり、現場を転々としたりもないですね。初めて行くアイドルさんだといろいろと歓迎されるじゃないですか。そういうのも嫌じゃないですけど、やっぱり知っている人の方が話しやすくて、落ち着く方に行ってしまいますね。そうすると毎回同じところに行くことになる。

ライブ中はあまり目立ち過ぎないようにしています。レス(※注)を貰おうとする人とか、いろいろな見方をする人がいますけど、紛れて見ていたいんですよね。サイリウムとか、周りもやっているから自分もやっておこう、みたいなことはやりますけど、自分が先頭に立って引っ張っていくという感じじゃないんで、引っ張っていく人がいないとどうしようってなっちゃいます。何年もオタやっていてなんですけど。
*注 レス:ライブ中に視線や手を振って貰うなどの、リアクションをしてもらうこと。



福岡にいる分にはお金は全然かからないですね



ライブ中のレスは気にしないですね。戻って行く時に手くらい振ってくれれば。本人のキャラにもよるんだろうけれど、最初の2人がレスをくれない人だったんですよ。時東さんは最初のうちはレスをくれるんですけど、いつもいる人になるとレスをくれないんです。一度、「今日もいるな」って確認したら、あとはあまり見ないんですよね。ほかのファンもだいたいそう言っているから、きっとそうなんだろうと思います。おがまなもそういうタイプ。だからライブ中にどうこうみたいなのは、ないですね。プレゼントをあげたときも、ブログに載せたりされなくても、本人が喜んでくれたらそれでいいです。

彼女はアイドルに行くようになってからはいませんね。土日がほとんどイベントで埋まっているので。知り合ってどこか遊びに行こうとなっても、だいたい予定が入っている。何度か女の子と知り合う機会もあったんですけど、どちらが希少価値が高いかと考えると、アイドルは「今、ここ」しかないじゃないですか。ことごとくイベントを選んできてしまって、女の子の方は何も発展しないまま終わってしまう。年齢的にもそろそろとは思うんですけど、またいつ関東に戻るかどうかもわからないので、福岡にいる間は考えられないと思います。親はうるさくは言わないし、詳しく話すこともないですね。アイドルの趣味もAKBみたいに有名なら、話しても伝わるんですけど、時東さんもおがまなもどれくらい他の人が知っているのか難しいし、だったら、説明しなくていいかって。

アイドルに使っている額は多いときで月10万円くらいでした。CDが千円で1回10枚、土日行くと2万円なので、それが4週で8万円。チケット代なども含めたら10万円くらい。でも車は持ってないですし、土日はだいたい出かけちゃっていて他にあまり使うことがないから、貯金はできないですけど、足りなくなるということはありませんでした。今行っているLinQだと500円で2分とか3分とか話せるので、そんなに使いませんね。1回が長いので、ループしてもそんなに回れないんですよ。だから福岡にいる分にはお金は全然かからないです。



燃えてもいないので、燃え尽きることもない



基本的にあんまりあれこれ考えていないんですよね。緩いんだけど、常にいるみたいな。考えている人は考えているんでしょうけど、自分はこの子がどうしたら売れるかとか、必死に考えたりもしないし。そのために自分たちに何ができるかとか考えないですし、与えられたもので楽しむという感じで。結構、受け身な感じですかね。時東さんであれば、自分がファンになる前の話ですけど、中野サンプラザでやったときに燃え尽きた感があって、一度ファンが減ってしまったことがあったみたいなんですよ。そこまで支えてきた人たちがスッと離れてしまって。だけど、自分は燃えてもいないので、燃え尽きることもないと思います。

考えなくていいのがまたいいのかなと思うんですよね。楽しみに行こうと。盛り上げようという気持ちも全くないことはないですけど、まずは自分が楽しめればいいかなと。ほかに迷惑をかけない程度に。枚数も買うし、握手ではループもするし、遠征もするし、必死だなって思われるかもしれないですけど、そういうわけでもないんですよね。行かない理由がないというだけで。ほかに何をするというわけでもないので。自分的にやり切った感があるわけでもないし。握手会でよくループしているから、外から見たら必死にやっているように見えるかもしれないですけど、わりとのんびり楽しんでいる感じですね。

仕事があったら仕事を取りますし、アイドルは趣味に留めておきたいんですよ。仕事より優先するようにはしたくない。生きがいというところまではいっていないですが、日常の一部にはなっている感じです。今週どんなイベントあるかなとチェックして、土日の予定を組んだり、更新されたブログを読んだりというのは、朝に歯を磨くのと同じくらい日常になっていて。だから、辞めるってこともないんじゃないかと思います。LinQに来ている人たちというのも、結婚している人もいるし、子連れで来てた人もいるし、いろいろな人がいるので。自分もうまいこと続けていくんじゃないかなと。

最初にいい現場に恵まれたのかなと思います。時東さんのときの現場が、みんな仲が良くて、終わったらいつも10人前後で居酒屋に飲みに行って、朝早くから夜遅くまで常に一緒にいるという感じで、普通の友達とかよりもずっと長い時間一緒にいるし。そういう現場からスタートしているので、それが普通なのかなと。対バンとかでみんながワーッと行くファンが多いグループだと、荒れたとかいう話を聞くこともあるんですけど、そういうのもなかったし、みんながギスギスしていたりとか、オレがオレがということもなかったので。トップのファンの人の人柄もあったんじゃないかと思います。後半の方になってくると、時東さんを見たいんだか、時東さんを応援している友達に会いに行きたいんだか、どちらに会いに行っているのかわからなくなるくらいでしたから。



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