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為岡そのみ 『フルコース』

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公開
2013/03/25   00:30
更新
2013/03/25   00:30
ソース
bounce 352号(2013年2月25日発行)
テキスト
文/澤田大輔


多彩なアイデアが投入された正攻法のR&B



為岡そのみ_A



充実の過去2作品、そして古内東子や中村舞子らへの楽曲提供における冴えた仕事ぶり──シンガー/ソングライターの両面で抜きん出た技量とセンスを発揮する才媛、為岡そのみが約2年ぶりの新作『フルコース』を発表した。初作『MOVIN' ON』で90s仕様の端正なR&Bを提示、続く『DRAMATIC』ではドープ/ポップの双方にスタイルを拡張した彼女だが、野崎良太(Jazztronik)やU-Key zoneらをプロデューサーに迎えた本作でも、R&Bの枠組みを気持ち良くはみ出すサウンドを通じ、聴き手を圧倒するクリエイティヴィティーを自由に解放。なにしろ1曲目の表題からして“恐妻”……これだけでも物凄い感じになってることがわかってもらえるはず。

そんな“恐妻”は、KOHEI JAPANと色っぽい夫婦ゲンカを繰り広げるジャズ・ナンバー。そして、ヒプノティックなビート上で催眠療法について歌う“退行催眠”なんてトリッキーなのか直球なのか(!?)という曲も。さまざまなアングルのリリックが、緻密な展開を見せるトラックと絡み合って立体的なドラマを作り上げている。また、アコギと歌だけで小気味良いグルーヴを練り上げる“リスタート”や、ピアノの弾き語りによる“蘇州夜曲”のカヴァーなどシンプルな楽曲も、アレンジ面で捻りが加えられており耳が離せない。〈よくぞここまで!〉と思うほどの多彩なアイデアが全編に投入されているのだ。

だが、そうしたヴァラエティー豊かなアプローチを見せつつも、彼女の基盤にあるのは正攻法のR&Bであり、それは本作でも変わらない。80sなアーバン・ブギー“Rendezvous”やセクシャルなスロウ“lovesick”、最高にスウィートな“TALK TO YOU”といった楽曲が、〈黒さ〉を求めるリスナーの心と腰を気持ち良く揺らしてくれるだろう。



▼関連盤を紹介。

左から、為岡そのみの2011年作『DRAMATIC』(Village Again)、U-Key zoneの2011年作『Advent of UKZ complete』(Brand-New)

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