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【第3回】――ポリス

連載
生形真一の六弦生活
公開
2013/03/21   20:35
更新
2013/03/21   20:35
ソース
bounce 352号(2013年2月25日発行)
テキスト
インタヴュー・文/溝口和紀(New Audiogram)


ひたすら六弦生活を送る男が、ギタリスト目線も交えて名盤を紹介する連載!



生形連載第3回_A



【今月の一枚】POLICE 『Synchronicity』 A&M(1983)

このアルバムを聴いたのは結構遅くて……もちろんポリスは前から知ってたし、曲も聴いたことあったけど、アルバムとしてちゃんと聴いたのは20代後半ですね。ポリスにのめり込んだのもその時期。やっぱり曲の完成度の高さに惹かれました。スリーピースのバンドとは思えないアンサンブル。自分がバンドで経験を積んでいくごとにそのすごさがわかってきたという感じです。ポリスのアルバムは全部持っていますが、この最後のアルバムが彼らの最高傑作だと思います。

“Every Breath You Take”とか“Synchronicity II”とかはギターでコピーしましたね。“Synchronicity I”もカッコいいし、いま聴いても斬新ですよね。“King Of Pain”も好きです。

アンディ・サマーズのギター・アレンジにはすごく影響を受けました。音の隙間を縫うギター、アルペジオの音の選び方などは特に。細かいことなんだけど、ポリスは9th(コード)を使うことが多くて……9thでこんなに曲に広がりが出るんだと教わりましたね。スリーピースで音数の少ないバンドですが、そのなかで最大限に曲を引き立てるアレンジをしていると思います。

俺らの曲で言うと“Chain Reaction”(2011年作『echo』収録)のイントロの指弾きフレーズなんかはポリスのイメージに近いかな。もともと違うフレーズを入れてたんですが、アレンジしていっていまの形になりました。ポリスのすごさって、音数が少なくてシンプルなフレーズでもすごく印象に残るところなんですよね。それはフレーズの力だし、よっぽど考え抜かれているんだろうと思います。

よく聞く話ですが、彼らはメンバー間の仲が悪かったらしいですね。その軋轢は音楽活動のなかで生まれたものだと思うんですけど……この『Synchronicity』も個性があって我の強い人間が集まってて、ぶつかり合って作ったアルバムのような気がして……そういう葛藤みたいなものも音を聴いているとわかりますよね。音に緊張感があるし、ドラムなんか特に(笑)。そこも好きになる要素ですね。バンド内でぶつかることもあったと思うけど、メンバーそれぞれがこだわって貫き通したからこそ、これだけ素晴らしい作品が出来たんだと思います。



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PROFILE/生形真一



Nothing's Carved In Stoneのギタリスト。3月6日にはニュー・シングル“Out of Control”(エピック)をリリース! 別掲にはそのインタヴューも掲載中。その他の最新情報は、オフィシャルサイト〈www.ncis.jp〉をチェック!!