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サルソウル

JOE BATAAN

連載
Discographic
公開
2013/05/22   00:00
更新
2013/05/22   00:00
ソース
bounce 354号(2013年4月25日発行)
テキスト
文/出嶌孝次


アフリカ系とフィリピン系の血を引くNY出身のジョー・バターンは、ファニアからデビューしてブーガルーの隆盛期に人気を博し、NYラテン音楽界の要人となっていた伊達男。この〈ラテン界のJB〉がファニアを離れてメリカーナから発表した作品こそ、ズバリ『Salsoul』(73年)。翌年に設立されたレーベル名の元になったのはもちろん、ラテン・フレイヴァーの意識的な導入が行われたのもそうした成り立ちゆえだろう。JB自身のサルソウル・デビューは『Afrofilipino』(75年)で、レーベルきっての濃い口な歌唱と軽快なラテン・ファンク作法で大物の存在感を見せつけた。また、ヒップホップの勃興に対応し、メスチーソ・バンドを率いての『Mestizo』(80年)から愉快なラップ・ヒット“Rap-O-Clap-O”を生み出したのも重要だろう。81年の『Joe Bataan II』を最後にレーベルを去るものの、ほぼ唯一のサルサ+ソウル道を追求した彼の功績は永遠だ。



▼ジョー・バターンの作品。
左から、73年作『Salsoul』(Mericana/OCTAVE)、75年作『Afrofilipino』、80年作『Mestizo』、81年作『Joe Bataan II』(すべてSalsoul/OCTAVE)

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