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サルソウル

ディスクガイド――(1)

連載
Discographic
公開
2013/05/22   00:00
更新
2013/05/22   00:00
ソース
bounce 354号(2013年4月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/JAM、林 剛、出嶌孝次


DOUBLE EXPOSURE 『Ten Percent』 Salsoul/OCTAVE(1976)

前身のユナイテッド・イメージはスタックスにシングルを残すが、出所はフィリーのクァルテット。制作者のノーマン・ハリスとサルソウルの心意気を体現してみせた重要グループで、世界初の商業用12インチ・シングル“Ten Percent”でダンス・ミュージック史にも深くその名を刻むことに。*JAM

 

LOLEATTA HOLLOWAY 『Loleatta』 Gold Mind/OCTAVE(1976)

シカゴ出身、本作以前にアウェアに残した2枚のアルバムも同地のフロイド・スミスと組んでのものだったが、サルソウルはそんな彼女の稀有なヴォーカル・パフォーマンスを、フィリー印のスケールの大きいディスコ・サウンドで見事に調理。“Dreamin'”など名曲が並ぶ様に奇跡を見る。*JAM

 

CAROL WILLIAMS 『'Lectric Lady』 Salsoul/OCTAVE(1976)

サルソウルがいかなるレーベルかをアルバムを通じて伝える名盤。主役のキャロル嬢はニュージャージー出身、女性アーティストとしてサルソウルが最初に迎え入れた元祖〈クイーン・オブ・ディスコ〉である。名曲“Love Is You”を筆頭に、幸福感溢れる76年のリアルなディスコ熱が充満。*JAM

 

SILVETTI 『World Without Words』 Salsoul/OCTAVE(1976)

アルゼンチン出身のピアニスト/作曲家がサルソウルから出した1作目。ディスコ・クラシック“Spring Rain”のオリジナルのほか、夏雨・秋雨・冬雨の各ヴァージョンを用意して四季を描いたイージー・リスニング調のアルバムで、打ち付けるようなピアノと流麗なストリングスが眩い。*林

 

FIRST CHOICE 『Delusions』 Gold Mind/OCTAVE(1977)

フィリー・グルーヴでそのネームをすでに全国区としていたロシェル・フレミングを中心とする女性トリオだが、サルソウル入りしてダンス・フロアの歌姫ぶりはその見栄えも含めて一気に拍車が掛かる。“Doctor Love”“Let No Man Put Asunder”という歴史的な名曲はいずれも本作に収録。*JAM

 

BUNNY SIGLER 『Let Me Party With You』 Gold Mind/OCTAVE(1977)

数々のフィリー・ソウル名曲を書いてきたシンガー/ソングライターの、サルソウル移籍第1弾。舎弟のインスタント・ファンクを従えた骨太なディスコ・ファンクをエモーショナルなテナーで歌う快作で、メロウなバラードも含む。表題曲はマーヴィン・ゲイ“Got To Give It Up”を意識? *林

 

SILVETTI 『Spring Rain』 Salsoul/OCTAVE(1977)

前作の収録曲だった“Spring Rain”を含めてトム・モウルトンがミックスを施し、永遠のダンス・クラシックに仕立てたサルソウルでの2作目。イージーリスニング的なBGM感覚もありつつ、粒立ちした音はトムならでは。ジャケの良さや電気グルーヴ効果もあって日本で評価が高い一枚。*出嶌

 

CHARO & THE SALSOUL ORCHESTRA 『Cuchi-Cuchi』 Salsoul/OCTAVE(1977)

透け乳首ジャケでお馴染みな魅惑の一枚。イタリアの女優/タレントがヴィンセント・モンタナJrのバックアップを得てリリースした芳しいお色気アルバム(?)。壮麗なディスコ・ダンサーなどサウンド面は当然最高なのでご注意を。ケツよりおっぱい派という人にもオススメしたい。*出嶌

 

LOLEATTA HOLLOWAY 『Queen Of The Night』 Gold Mind/OCTAVE(1978)

前作に続き、ノーマン・ハリスを中心に制作されたゴールド・マインド第2弾。活きのいいダンサーからバニー・シグラーとデュエットしたバラードまで、ゴージャスなフィリー・サウンドの上で歌う。ボビー・ウーマック“I'm In Love”のカヴァーなど、南部歌姫らしいディープネスも健在だ。*林

 

METROPOLIS feat. THE SWEETHEARTS 『The Greatest Show On Earth』 Salsoul/OCTAVE(1978)

ミュンヘン・サウンドの裏方、ソー・バルダーソンがトム・モウルトンと組んだユーロ×フィリーなプロジェクト作。メロウ・ディスコ“Here's To You”、NY市観光キャンペーン・ソング“I Love NY”など、シグマ・スタジオの女性コーラス隊が爽やかな美声を放つ、昂揚感に満ちた曲が並ぶ。*林

 

GAZ 『Gaz』 Salsoul/OCTAVE(1978)

クローディア・バリーを手掛けていたミュンヘンのユルゲン・S・コルドゥレッチを中心としたプロジェクトによる唯一のアルバム。ヒップホップの定番ブレイク“Sing Sing”を収録したディスコ・ブギー盤で、アッパーなダンス曲で畳み掛ける。アレンジはメトロポリスのソー・バルダーソン。*林

 

FIRST CHOICE 『Hold Your Horses』 Gold Mind/OCTAVE(1979)

ゴールド・マインドからの2作目。4曲目まではトム・モウルトンのプロデュースで、ミュンヘン録音のトラックに乗って快調に歌っていく。が、目玉はフィリー勢がバックアップしたガラージの人気曲“Love Thang”“Double Cross”。奥行きのある豪奢なサウンドで彼女たちの歌はさらに輝く。*林