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【第11回】――ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス

連載
生形真一の六弦生活
公開
2013/11/20   00:00
ソース
bounce 360号(2013年10月25日発行)
テキスト
インタヴュー・文/溝口和紀(New Audiogram)


ひたすら六弦生活を送る男が、ギタリスト目線も交えて名盤を紹介する連載!



生形連載第11回_A



【今月の一枚】THE JIMI HENDRIX EXPERIENCE 『Axis: Bold As Love』 Polydor(1967)

ジミ・ヘンドリックスを初めて聴いたのは20歳くらいの時に買ったフィルモア・イーストのライヴ盤(1999年の『Live At The Fillmore East』)です。ただ最初聴いた時は正直よくわからなくて……ギタリストとしてバンド活動を続けていくうちにハマりました。

ジミヘンというと一般的にはギターを壊したり、燃やしたりとワイルドなイメージが強いと思うんだけど、実はきれいな曲や美しい曲もすごく多いんですよね。今回紹介する『Axis: Bold As Love』にも有名な“Little Wing”とかありますが、俺は特に最後の“Bold As Love”の世界観が歌詞も含めて好きですね。彼のプレイから伝わる純粋さや繊細さ、そして危うさ。そんな美しい部分が強調された曲だと思います。

いままでに“Spanish Castle Magic”“Little Wing”“Purple Haze”“Voodoo Chile”など彼のいろんな曲をコピーしましたが、実際弾いてみて感じたのは、いま〈ミクスチャー〉と呼ばれているような音楽を、彼は当時からやっていたということ。ロックはもちろんブルースやジャズ、スパニッシュなテイストなど、いろんな要素が混ざってて、それがジミヘンというひとつのジャンルになっているということですね。

俺は〈生き物のようなギター〉って言葉をよく使うんですが、それはジミヘンを聴いて感じた言葉で、彼のギターを聴くといつもそう思います。何年、何十年経っても生命があるフレーズだったり、音色だったりするのは、それは彼がその時、その瞬間のプレイに物凄いエネルギーを込めているからだと思います。俺もギタリストとしてそういうところをめざしていきたいです。

ジミヘンは27歳で亡くなりますが、きっと壮絶な人生だったんだと思います。でなきゃ、この歳でこんなギターは弾けないし、こんなアルバムは作れないと思いますね。やっぱり音楽にはその人の人生や生き様が絶対に反映されているから。

この時代のギタリストはジミー・ペイジやジェフ・ベックとかも好きですけど、当時の誰のライヴが観てみたいかといったら、間違いなくジミヘンですね。これを読んで彼に興味を持った人はぜひライヴ映像も観てください。観てもらえれば彼がどれだけ凄まじいアーティストかがわかると思います。

【お知らせ】感想をお待ちしています。宛先はこちら(bounce@tower.co.jp)! オフィシャルブログ〈www.newaudiogram.com/blog/ubu/〉も随時更新中です!!



PROFILE/生形真一



Nothing's Carved In Stoneのギタリスト。最新作『REVOLT』(エピック)のツアーを終えたばかりの彼ら、12月18日には早くもニュー・シングルをリリースします! その他の最新情報はオフィシャルサイト〈www.ncis.jp〉にて!!