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(第11回)錯綜するマミラピンアタパイ

シンバルへの愛

連載
BO NINGENの人生一度きり
公開
2013/12/27   18:00
更新
2013/12/27   18:00
テキスト
文/Akihide Monna(BO NINGEN)


シンバルへの愛



皆それぞれ、いろいろな機材をこのレコーディングのために揃えたわけですが、自分が購入したものの一つにシンバルがあります。
ずっと欲しかったもので、ダーティ・スリーのジム・ホワイト氏に協力を得て購入することができました。
彼はこの前の〈The Cult Tour〉の時にちょうどベルリンで演奏があったようで、わざわざ観に駆けつけてくれたりしました。切に感謝。
シンバルが手元に届いた時は嬉しすぎて、しばらく一人部屋でその音に酔いしれました。頭の上に乗せてみたりして。

そんなこんなで個人的かつ偏った話になりますが、ここ数年シンバルへの想いは熱くなる一方です。
今年トルコのシンバル工場を訪れて、それはさらなる熱を帯びました。
トルコには数えきれない数のシンバル工場があり、選ぶだけでも一苦労でしたが、そのなかで〈ボスフォラス〉というメーカーの工場を訪れることができました。
すべて職人さんたちの手作業によって生み出されるシンバルは、本当に彼らの息子のようで愛らしかった。
そして金属の塊があのシンバルへと変貌してゆく様は、まさに錬金術そのものでした。



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錬金術師たち



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この瞬間、世に放たれしシンバル



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真っ赤なシンバルの赤ちゃん



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伸ばされてシンバルらしき形に



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シンバル・キティン。この国は本当に猫で溢れています



トルコ滞在も終わりに差し掛かった日の夜、イスタンブールのブルー・モスク近くで友人たちとご飯を食べていたのですが、夜も深まった頃に〈アザーン〉という時を知らせる歌が聴こえてきました。
聴いた場所もあるのかもしれませんが、その時間にしてはとても大きな音であったこと、その近くに住んでいるであろう人たちがみんなで合唱しているようであったこと、そして少しずつ違って聴こえたこと。
それらが多角的に反響し合っていたこと、温かな夜であったことなどが影響してか、とてつもない陶酔感が印象的でした。
国は違いますが、ブライアン・ジョーンズの〈Joujouka〉を想起させる強烈さだったのを覚えています。

さて話が逸れましたが、レコーディングの続きです。
レコーディング、その準備段階というのは意識していなくてもやはり少し無理をしてしまっているもので、気付かぬうちに身体に負担が掛かってきます。



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あああっ、腕が湿布まみれに……



実際、医者にも腱鞘炎との診断を受けてしまったほど!

栄養バランスもおかしくなってくるので、そんな時に最近僕らがお世話になっているのが〈Purdey's〉という栄養ドリンクです。
マルチビタミン系で比較的即効性もある感じなので、これが本当に身体に染み入るように感じると逆に危険な時でもあることから、体調を知る目安としても役に立つわけです。
ちなみに僕らはこれを通称〈エリクサー〉と呼んでいます。本当に回復しますからね。
実際フタにも〈ELIXIR〉の文字が!



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エリクサーで回復前



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フタ部分



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エリクサーで回復後



こんなにも効くわけです。

さて今回のレコーディングでは、ヴォーカルへの新しい試みとしてナチョ氏がワーミー・ペダルなどを、コウヘイがエコープレックスなどを駆使してダブルでダブワイズしたりしています。きっと皆さんの脳の髄まで鋭く突き刺さることでしょう。
乞うご期待。



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その機器



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ペダルを踏みにじる鬼気迫る表情のナチョ氏



このような感じで、いまレコーディングは中盤に差し掛かったところです。
これからさらにオーヴァーダブを重ね、ミックス、マスタリングと磨き上げていくわけですが、前作にはない新しいBO NINGENを感じてもらえると思います。

今年は大晦日にCafe OTOでのライヴを最後に控えています。
つい最近オーナーのケイコさんに新しいお子さんが生まれたようですし、この夜はさらに特別なものになりそうな予感。
大好きなN.E.W.とまた共演できるというもう一つの喜ばしい事実も相まって。
楽しみです。

さてそろそろ最後になりますが、今年も1年、BO NINGENを見守っていただいて本当にありがとうございます。
堅いことを言う気はないのですが、来年は僕らにとって一層大事な年になることと思います。
ライヴ会場で、録音物を通して、情念の交換、浄化、昇華、その発現したものが先に向かうための深い思念となるような瞬間をできるだけたくさん作っていけるように、温かく見守っていただければ幸いです。



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ハッピー・ニュー・イヤー



PROFILE/BO NINGEN



Taigen Kawabe(ヴォーカル/ベース)、Kohhei Matsuda(ギター)、Yuki Tsujii(ギター)、Akihide Monna(ドラムス)から成る4人組。2006年、ロンドンのアートスクールに通っていたメンバーによって結成。2009年にアナログ/配信で発表した『Koroshitai Kimochi EP』が現地で話題となり、〈Offset Festival〉をはじめとした地元メディアからも注目を集め、UKツアーのみならず、日本盤の発表後は日本でのツアーも成功させる。2011年にミニ・アルバム『Henkan EP』をリリース。最新作となるセカンド・アルバム『Line The Wall』(Stolen/ソニー)の日本盤も大好評。新年1月はオーストラリアの〈ビッグ・デイ・アウト〉を巡り、いよいよ2月には待望の来日公演〈BO NINGEN HEADLINE LIVES 2014〉が始まりますよ! 詳しくは以下の通り。そのほか最新情報はこちらのサイトでチェック!

〈BO NINGEN HEADLINE LIVES 2014〉

●2月8日(土) 東京:代官山UNIT
開場:17:00 開演:18:00
info:HOT STUFF 03-5720-9999 〈doobie-web.info〉
●2月13日(木) 大阪:Pangea
開場:18:30 開演:19:00
info:清水音泉 06-6357-3666 〈www.shimizuonsen.com〉
●2月14日(金) 名古屋:CLUB UPSET
開場:18:30 開演:19:00
info:JAIL HOUSE 052-936-6041 〈www.jailhouse.jp〉



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